【中央時評】グローバルサウス接近法:外交の三分の計(2)

投稿者: | 2026年5月6日

もう韓国の外交には相手によって異なる服を着る細かな「配置術」が必要だ。1つ目、グローバルウェストに対しては「信頼の外交」が基本となる。これは選択ではなく前提だ。韓米同盟や欧州、日本との協力は短期的な利益を超えた長期的な根幹だ。国際政治の不確実性が高まるほど信頼という資産はより貴重になる。この固い信頼が土台となってこそ他の世界との交渉力も生じる。

2つ目、グローバルイーストに対しては「見えない外交」が求められる。中国、ロシア、イランなどは関係がぎこちなくても無視できない管理対象だ。しかし旗を振りながらスローガンを叫ぶより、水面下で実質的なリスクを管理して実利を取る「ステルス(stealth)」のような機敏さが必要となる。国際制裁や紛争が絡んだ状況で過度に露出した接近は不必要な誤解を招き、同盟の信頼を揺るがしかねない。

 3つ目、グローバルサウスに対しては「見える外交」が必要だ。これは単なる行事ではなく、相手に韓国を代替不可能なパートナーと認識させる可視性を意味する。すべての国に力を分散するデパート式の外交を避け、インド、サウジアラビア、インドネシアといった戦略的拠点国家を中心に存在感を確実に刻み込まなければいけない。今年はASEANや中央アジア諸国に対しても関心を増幅させるべき時期だ。広い外交よりも、深く連結する集中力が核心となる。

一部では「我々もグローバルサウスのようにあちこちを行き来しながら利益を手にすればよい」という声がある。しかしサプライチェーンに深く組み込まれた輸出国であり安保リスクを抱えている韓国にとって、そのような柔軟性は下手をすれば「信頼の崩壊」という致命的な代償として返ってくるおそれがある。結局、核心は「順序」と「均衡」にある。グローバルウェストとの信頼を基盤とし、グローバルサウスで可視性を確保し、グローバルイーストを静かに管理しなければいけない。この順序が逆転したり混ざり合ったりする瞬間、外交は方向性を見失う。信頼という確実な資産を不確実な期待と交換するのは最悪の手だ。信頼、可視性、隠密性という3つのカードを適材適所に配置することこそが、3つの世界を同時に扱う現実的な外交の出発点となる。

イ・ジェスン/高麗大国際学部教授/一民国際関係研究院長

2026/05/06 15:23
https://japanese.joins.com/JArticle/348685

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)