年間30匹しか捕れない「伝説の深海魚」イシナギ…韓国で世界初の人工ふ化に成功

投稿者: | 2026年6月1日

年間30匹前後しか捕れないことから「伝説の深海魚」と呼ばれるイシナギの人工ふ化に、韓国の研究陣が世界で初めて成功した。深海魚という特性上、養殖や種苗生産の研究がほとんど行われてこなかった魚種であるだけに、水産資源の保全と将来の養殖産業に新たな可能性を開いたとの評価が出ている。

慶尚北道(キョンサンプクト)水産資源研究院は、イシナギの受精卵200万個を確保し、このうち50万匹の人工ふ化に成功したと31日、明らかにした。現在は体長1センチメートル前後の稚魚20万匹を飼育しながら、初期生存率や成長特性を研究している。

 イシナギは水深400~600メートルの深海に生息する大型魚だ。成魚は体長2メートル、体重200~280キログラムまで成長する。韓国の東海岸と南海岸、日本南部、ロシア極東海域など、北西太平洋の一部地域に限定的に分布している。

産卵期の5~6月になると、水温の高い沿岸へ移動するが、この過程で漁業者の網や釣り針に偶然かかることから、「伝説の深海魚」という異名を得た。韓国国内の漁獲量は年間30匹前後にすぎない。希少性が高く、1匹数百万ウォンの値が付くこともある。

今回の成果は、10年にわたる研究の末に得られたものだ。研究院は2017年から、50~700グラムの幼魚28匹を確保し、陸上の水槽で長期飼育してきた。深海魚であるイシナギは、漁獲過程で急激な圧力変化による減圧ショックを受けるため生存率が非常に低く、親魚に成長するまでには8~10年以上かかることから、研究そのものが容易ではなかった。

研究陣は長期間の飼育の末、体長1メートル級の親魚8匹を確保した。昨年5月にはメス2匹による初の産卵を確認したが、受精卵の状態が良くなく、ふ化には失敗した。その後、適切な餌の供給や栄養強化、繁殖生態の研究を通じて受精卵の品質を改善し、今年ついに200万個の受精卵を確保して50万匹の人工ふ化に成功した。

イシナギは世界的にも種苗生産や養殖研究の事例がほとんどない。深海に生息する特性と長い成長期間のためだ。今回の成果が注目される理由も、単なるふ化成功にとどまらず、養殖産業と水産資源の回復の可能性を示したためだ。

研究院は今後、人工ふ化した稚魚を活用し、初期生活史や適切な餌生物、飼育環境などを解明する基礎研究を続ける計画だ。長期的には大量種苗生産技術を確立し、種の保全と資源回復事業にも活用する構想だ。

梁琴喜(ヤン・グムヒ)慶尚北道経済副知事は、「10年の執念の末に得られた貴重な成果だ」とし、「イシナギの人工ふ化成功が東海岸水産業の未来の成長動力となるよう、種の保全や放流事業、後続研究を継続的に拡大していく」と述べた。

2026/06/01 10:16
https://japanese.joins.com/JArticle/349863

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