北中米ワールドカップ(W杯)準決勝でイングランド代表に劇的な逆転勝利を収めたアルゼンチン代表の一部の選手が、国際サッカー連盟(FIFA)が厳格に禁止している「政治的な意思表示」をめぐる問題に巻き込まれた。アルゼンチンがスペインとの決勝戦を控えている状況であり、該当選手らの懲戒時期や程度が最大の関心事に浮上している。
物議を醸した事件は16日、米ジョージア州アトランタ競技場で行われたW杯準決勝の終了後に発生した。「サッカー発祥の地」イングランドを相手に先制ゴールを許したものの、その後2得点して劇的な逆転勝利をつかんだアルゼンチンの選手らが喜びを表す過程で突発的な場面が生じた。ジオヴァニ・ロ・チェルソ(レアル・ベティス)、ニコラス・オタメンディ(ベンフィカ)、クリスティアン・ロメロ(トッテナム)など一部の選手が観客席のアルゼンチン代表サポーターから手渡された横断幕をピッチ上で掲げたのだ。この横断幕にはスペイン語で「Las malvinas son argentinas(マルビナスはアルゼンチン領)」と書かれていた。
「マルビナス」は英国領フォークランド諸島のアルゼンチン式名称だ。アルゼンチン本土東側から約400キロメートル離れたこの諸島は1982年に国際的な注目を集めた。英国が地政学的位置を活用するため実効支配中だったフォークランド諸島の領有権をアルゼンチンが主張し、武力侵攻を敢行したからだ。いわゆる「フォークランド紛争」としてよく知られているこの事件は、その後、両国の激しい対立を招く導火線の役割をした。両国サッカー代表チーム間の対戦がスポーツを越えて戦場をほうふつさせるライバル対決として定着する要因にもなった。
こうした歴史的脈絡の中で出てきたアルゼンチン選手らの突発的な行動はすぐに国際的な論争に発展した。FIFAがピッチ上での政治的・宗教的メッセージ発信を断固禁止しているからだ。
こうした状況は韓国のサッカーファンも過去に経験している。2012年ロンドン五輪での「独島(ドクト、日本名・竹島)はわが領土」横断幕ハプニングと似ているからだ。当時、洪明甫(ホン・ミョンボ)監督が率いる韓国代表が2-0で日本代表を退け、銅メダルが決まった直後に事件は発生した。韓国サッカー史上初の五輪メダル獲得の喜びに浸る状況で、MF朴種佑(パク・ジョンウ)が観客席から渡された「独島はわが領土」と書かれたカードをピッチ上で掲げた姿が世界のカメラに映った。
当時、国際オリンピック委員会(IOC)はすぐに対応し、朴種佑をメダル授与式に出席させなかった。その後、FIFAの真相調査を経て3500スイスフランの罰金とともにAマッチ2試合出場停止処分が下された。メダルは数カ月後、紆余曲折を経てようやく手元に届いた。
14年前と違い、今回の状況はアルゼンチン選手らが決勝戦を残しているという点でさらに関心が集まる。米スポーツサイトのジ・ アスレチックなど主要メディアは「アルゼンチン選手らの行為はFIFAの強い制裁につながるだろう」と一斉に報じた。朴種佑のケースがFIFAの参考資料として活用される可能性も高い。
最も致命的な変数は時間だ。FIFAが今回のハプニングに迅速に対応する場合、アルゼンチンは数人の主軸選手を欠いたまま決勝戦に臨む状況も考えられる。アルゼンチンが看板スターのリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)を主軸に「W杯2連覇」という重大な目標までわずか1勝を残した状況であり、FIFAの対応速度および程度が注目される。
2026/07/16 14:50
https://japanese.joins.com/JArticle/352117