人気低下に輸入品との競争激化…韓国牛乳の危機

投稿者: | 2026年6月1日

韓国では国産牛乳が安価な輸入牛乳に押され、徐々に居場所を失いつつある。しかし、牛乳を加工・販売する乳業業界は、生乳クオータ制により酪農家から依然として大量の飲用向け生乳を買い取らなければならず、負担を訴えている。「余剰牛乳」による乳業業界の損失は、最終的に消費者向け価格の引き上げにつながり、コストパフォーマンスの低い「K牛乳」が市場でさらに敬遠されるという悪循環に陥っている。

5月31日、韓国の酪農振興会によると、昨年の1人当たりの白牛乳消費量は22.9キログラムで、前年比9.5%減少した。これは約40年ぶりの最低水準となる。少子化や単身世帯の増加、代替飲料の普及などが影響した。牛乳そのものよりも、チーズ・ヨーグルト・アイスクリームなどの加工乳製品を求める消費傾向へと変化している。

 通常、需要が減れば価格も下がると思われがちだが、国産牛乳はそうではない。国際相場と比べても高価な水準にある。価格比較サイト「グローバル・プロダクト・プライス・ドットコム」によると、今年1月時点で韓国の牛乳1リットル当たりの価格は3.42ドル(約545円)で、調査対象78カ国中3番目に高かった。米国は3.04ドルで4位、中国は2.06ドルで25位、韓国とよく比較される日本は1.82ドルで29位にとどまった。ポーランドは0.9ドルで75位だった。

国産牛乳が高い理由は、まず生乳(牛乳の原料)の生産コスト自体が高いためだ。酪農先進国では大規模放牧によって牛を飼育するが、韓国では酪農家1戸当たりの飼育頭数が少なく、「規模の経済」が十分に機能していない。さらに、乳牛用飼料の輸入依存度が高く、為替相場や国際穀物価格の変動の影響も大きい。酪農業界は、流通マージン率も日本などに比べ高いと主張している。

問題は、自由貿易協定(FTA)により国産牛乳の価格競争力がさらに弱まるとみられる点だ。今年1月の米国産に続き、7月からは欧州産牛乳も無関税で韓国市場に流入する。輸入牛乳の約90%を占めるポーランド産常温保存牛乳(滅菌乳)は、1リットル当たり1300~1500ウォン(約137~158円、卸売価格ベース)で、すでに国産品の半額程度だ。カフェやベーカリーを中心に輸入牛乳需要が増えているのはこのためだ。関税庁によると、昨年の滅菌乳輸入量は5万1000トンで、2016年(1214トン)と比べ42倍に増加した。

こうした中、国産牛乳の硬直的な価格決定構造を改善すべきだとの指摘が出ている。2002年に導入された生乳クオータ制により、乳業メーカーは酪農家と事前に協議した割当量(クオータ)分の生乳を基本価格で買い取らなければならない。この数量は2年間維持される。酪農振興会は6月から生乳数量や用途別配分構造の調整について議論するが、その結果は2027~2028年の運営基準に反映される予定だ。生乳の基本価格は前年の生産費が±4%変動した場合に、酪農家と乳業メーカーの交渉によって決定されるが、今年は議論対象ではない。

農林畜産食品部によると、現在の年間生乳クオータ量は205万トンだ。このうち消費者が飲用する牛乳向け生乳使用量は160万トン水準にとどまる。余った分はチーズや粉乳など乳加工品向けの加工用生乳として使用するか、廃棄しなければならない状況だ。ある乳業業界関係者は「需要に応じて柔軟に生乳を購入できるよう、規制を緩和すべきだ」と話した。

それでも2023年に用途別差等価格制が導入されたことで、加工用生乳の基本価格を飲用向けより低く設定することが可能になった。農林畜産食品部の関係者は「消費パターンの変化に合わせ、生乳クオータ量のうち加工用の比率を徐々に拡大しなければならないため、加工原料乳支援事業予算を430億ウォンからさらに増額する案を検討している」と述べた。

2026/06/01 10:39
https://japanese.joins.com/JArticle/349871

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