在韓米軍のジェイビア・ブランソン司令官のいわゆる「短剣」発言に対し、北朝鮮が国営メディアを通じて「韓国を対中国抑止に都合よく利用しようとしている」と強く批判した。ブランソン司令官のこの発言で韓米間に緊張が生じた中、そこに付け入る北朝鮮の典型的な揺さぶりと解釈される。
◆「即興の主張ではない」 戦略的柔軟性を批判
朝鮮中央通信は3日、国際問題評論家のキム・ミョンチョル氏の論評を通じて「韓国駐留米軍司令官がある記者会見で、韓国を『アジアの心臓部の短剣』と描写し、国際的な物議を醸している」と指摘した。続いて「ブランソンの発言は一人の即興的な主張ではなく、対中国抑止を狙った地域戦略の実現において、韓国を重要な地政学的道具として利用しようとする歴代米政権の戦略的視点をそのまま反映したものだ」と主張した。
また、米国の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備や韓米合同演習、米第7空軍のMQ-9リーパー第431遠征偵察大隊の創設などを列挙し、これを在韓米軍の「戦略的柔軟性」の拡大と結びつけた。「国際社会の懸念を呼んでいる米韓間の原子力潜水艦協力や核および通常戦力の統合も、結局のところ地域における米軍の『戦略的柔軟性』を保証する一方、韓国を対中国抑止に都合よく利用しようとする企み」としながらだ。
続いて「米韓同盟はアジア太平洋地域で軍事的緊張をさらに高め、恒常的な不安定を生み出す根本的な要因」であり、米中対立の激化で韓国は「第2のウクライナのような境遇に置かれかねない」と主張した。
◆韓米の離間・韓国内葛藤を誘導
これに先立ちブランソン司令官は先月22日(現地時間)、米陸軍戦略大学のポッドキャストに出演し、中国の立場から見て韓国は「アジアの心臓部に突き刺さった短剣(dagger)」であり、日本は「盾(shield)」という趣旨の発言をした。
これに対し青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)は「最近のブランソン司令官の一連の対外発言について認知している」と明らかにした。在韓米軍司令官の特定の発言に対して青瓦台が自ら立場を表明すること自体が異例であり、事実上の遺憾表明という解釈を呼んだ。このように韓米間に緊張感が漂うと、北朝鮮がこれに付け込んで韓米間の亀裂を広げ、韓国内の分裂まで狙っているとの分析が出ている。
特に、この日の論評で「米国の企みは必ず周辺大国の安全保障上の懸念を誘発し、それを相殺するための協力強化を促すはず」という部分は、中国を意識した発言とみる余地がある。習近平主席の訪朝を控えて雰囲気形成の一環と考えられるからだ。朝ロを越えて朝中間の軍事協力を正当化する目的もあるとみられる。
北朝鮮がこの日、個人名義の論評でトーンを下げたのも、中国を考慮した可能性がある。これに先立ち在韓中国大使館は先月28日、ブランソン司令官の「短剣」発言を批判する声明を出した際、報道官の談話形式にトーンを調節していたのと軌を一にするという指摘だ。専門家の間では、同月14日に中国北京で米中首脳会談が開催された直後という点を意識したとの分析が出ている。
◆習主席の訪朝準備の動向…中国の貨物機が平壌へ移動
一方、習主席の訪朝が近づいている兆候も表れている。航空機追跡サイトなどによると、最近、中国国際航空(エアチャイナ)の平壌(ピョンヤン)便が従来の128席規模のボーイング737からエアバスA330(237席規模)に変更され、今月1日の午前にはエアチャイナが追加編成したと推定される貨物機が北京から平壌に移動したことが分かった。これは習主席の平壌訪問を控えて随行団や準備物資を輸送する動きとも考えられる。
2026/06/03 15:01
https://japanese.joins.com/JArticle/350002