イランのサッカー代表チームが2026年北中米ワールドカップ(W杯)本大会を控え、米軍の空爆と推定されるミサイル爆撃で死亡した子どもたちを追悼するバッジを着用した。最近イラン代表チームのビザ発給をめぐり生じたトラブルと重なり、イランと米国の神経戦が続いているという分析が出ている。
米日刊紙ニューヨークタイムズは9日(日本時間)、「北中米W杯出場のため8日(日本時間)にメキシコのティフアナ空港に到着したイランサッカー代表選手らが襟元に『#168』とかたどったバッジを着用していた」と報じた。これは今年2月にイラン南部ホルモズガーン州ミナブの軍事基地近くで、爆撃によって死亡したシャジャレ・タイエベ小学校の児童の数と同じだ。イラン代表チームは3月のナイジェリアとの親善試合でも国歌演奏中に追悼の象徴として通学カバンを掲げるパフォーマンスをした。
米国は公式に責任を認めていないが、この空爆は米軍の誤爆という分析が多い。ニューヨークタイムズは今年3月、「米政府関係者によると、米軍が学校近くに位置するイラン革命防衛隊(IRGC)の海軍基地を攻撃する過程で座標の設定を誤ったとみられる」と報じた。タイムズ・オブ・インディアによると、イラン当局は3月、「米軍の駆逐艦USSスプルーアンスから発射されたトマホークミサイルがこの学校に落ちた」と主張した。
英デイリーメールはイラン代表チームが着用したバッジについて「W杯参加のため米国ビザの発給を受ける過程で代表チームの一部の関係者が除外された状況に対し、イランの選手団が意図を持って抗議した」と解釈した。北中米W杯のG組に属するイランは1次リーグの3試合をすべて米国で行う。ロサンゼルス(LA)のイングルウッドでニュージーランド戦とベルギー戦、シアトルでエジプト戦が予定されている。
米国はこれに先立ちイラン代表チームのビザ発給申請を審査し、有効期限がわずか1日のビザを発給した。また、イランの選手団長やコーチ陣、医療スタッフなど15人のビザ発給を拒否した。米政府関係者はCNNのインタビューで「イラン代表チームが虚偽でテロリストを米国に潜入させることを許すわけにはいかない」と述べた。これに対しイランのパサンディデ駐メキシコ大使は7日の記者会見に出席し、「ビザ発給を制限した米国の措置は理解できない」とし「長時間のフライトでコンディション問題が生じれば、代表チームのパフォーマンスに影響を及ぼす」と強く反発した。
イランの選手団が今後もバッジを着用し続ける場合、この行為が国際サッカー連盟(FIFA)の規定違反になるという指摘も出ている。FIFAは「ユニフォームやスパイクを含む代表チームに関連する装備に、いかなる政治的、宗教的、または個人的な意味を込めたスローガン、声明、画像を入れてはならず、これに違反した場合は選手やチームが制裁を受けることがある」と規定している。ニューヨークタイムズは「アミール・ガレノエイ監督を含むイランのコーチ陣がW杯本大会の試合でこのバッジを着用した場合、処分を受ける余地がある」と指摘した。
2026/06/10 09:14
https://japanese.joins.com/JArticle/350304