「75億バレル」世界の石油在庫も底をつくのか…急減に伴う「下半期危機説」

投稿者: | 2026年6月11日

 中東戦争以降の3カ月間、国際原油価格は供給ショックにもかかわらず予想より低い価格水準を保ち、変動性も比較的低い。十分に備蓄された世界的石油在庫のおかげだが、在庫減少のペースが最近ますます加速して、今年後半に在庫不足による石油危機が懸念されるとの見通しが出ている。

 11日、石油輸出国機構(OPEC)の資料によると、戦争で原油輸出が途絶えた湾岸地域の5産油国の原油生産は、戦争期間(3~5月)中に1日あたり約1,100万バレルずつ大幅に削減されたと推定されている。それに伴い、世界の石油供給は過去3カ月で10%以上減少したと推定されている。

 戦争直後に急騰した国際原油価格は、過去3カ月間の供給ショックの中でも当初の市場予想より低く抑えられ、変動性も戦争初期より緩和された様子だ。西テキサス産原油(WTI)先物価格は4月初めに1バレルあたり112.95ドルまで急騰したが、その後80~100ドル台前半で上下を繰り返し、5月後半からは90ドル前後に下落した。2022年のロシア・ウクライナ戦争時の最高値(2022年6月初めの120.9ドル)を下回り、市場がホルムズ海峡封鎖を前提に提示した当初の予想値(最大200ドル)を大きく下回っている。国際エネルギー機関の事務総長ファティ・ビロル氏が「今回の供給ショックは1970年代の二度のオイルショックやウクライナ戦争以降の天然ガスショックよりも大きいだろう」と懸念したのとは対照的に、原油価格が比較的安定したのは、戦争前に十分に備蓄された世界的な石油在庫のおかげだ。

 世界の石油在庫は戦争以降減少傾向にあるものの、依然として良好な水準と評価されている。国際エネルギー機関(IEA)の資料によると、世界で観測可能な石油在庫は中東戦争直前の2月末で82億バレル(世界需要の78.5日分)で、5年ぶりの最高値を記録していた。ホルムズ海峡の封鎖により、4月末には79.5億バレルで約3%減少したものの、世界需要の76.1日分が残っていた。米国エネルギー省(EIA)の推計によれば、5月末時点で世界の石油在庫は75億バレルで、世界需要の70日分以上を保有している。複数の国際機関は、世界の石油の「適正在庫水準」を30~65日分と提示している。

 問題は、3月以降、前例のない速さで進行している在庫減少のスピードだ。米国エネルギー省によると、世界の石油在庫減少幅は3月に1日平均-527万バレル、4月に-862万バレル、5月に-900万バレルと、過去最高の減少幅を更新し続けている。5月の1日あたりの減少分は、世界第3位の石油消費国であるインドの需要の1.6倍に相当する。3月から5月までの累積減少分(7億バレル)は、昨年の年間世界需要の1.9%に達する。このペースでは、今年下半期にグローバル石油在庫危機を回避するのは難しいという懸念が市場から出ている。

 在庫減少の問題は、先進国よりも中国や日本などアジアの新興国でより深刻だ。一方、米国の原油在庫は5月22日現在で4億4200万バレルで、戦争直前よりむしろ0.5%増加しており、欧州も輸入の多様化によりアジアほど在庫状況が深刻ではないと評価されている。

 需要側を見ると、戦争により世界の石油需要が大幅に減少し、原油供給の衝撃をある程度相殺するとの見通しが示されたが、「需要破壊」の有無はまだ確認されていない。国際金融センターは「国際エネルギー機関は今年、世界的な石油需要が1日あたり42万バレル減少すると予測したが、OPECなどはむしろ需要が前年より増加すると見込んでおり、破壊的な石油需要減少が起こる可能性は低い」と評価した。米国の石油需要は、先月22日現在で1日あたり2019万バレルとなり、過去5年間の平均と比べて2.5%増加した。

 国際金融センターは「最近、軽油などの輸送燃料を中心に石油在庫が急速に減少しており、下半期には石油危機を引き起こす潜在的脅威となる見込みだ」と予測した。世界の石油在庫減少速度が3~5月の水準を維持する場合、9月には世界の石油需要の65日分を下回り、市場の不安が大きく拡大する可能性がある。

2026/06/11 18:49
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/56416.html

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