「さらなる災厄を招く」…エアコンをタブー視してきた欧州の国々、真っ二つに分裂

投稿者: | 2026年7月2日

これまで経験したことのない記録的な猛暑がヨーロッパ大陸を襲う中、これまでタブー視されてきた「エアコン普及」をめぐり、新たな政治的対立が生まれている。

欧州では長年、エアコンは騒音や歴史的建築物の景観を損なうことに加え、膨大な電力消費による気候危機の深刻化などを理由に敬遠されてきた。

 実際、家庭用エアコンの普及率を調べると、フランスでは約25%にとどまり、スペインやイタリア(50%)、米国や日本(90%)と比べて著しく低い。しかし、命に関わる猛暑が人命被害や経済的損失を招くようになり、「エアコンは不要」という長年の考え方が揺らぎ始めている。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)も、エアコンを猛暑対策として最も効果的な手段と評価しており、冷房設備の必要性に重きを置いている。

こうした中、欧州の右派・極右政治勢力は猛暑を新たな政治的動員の機会と見ている。気候変動の根本原因よりも、政府の対応の失敗や市民生活の不便さを強調する戦略を取っている。

フランスの極右政党「国民連合」のマリーヌ・ルペン氏は、「病院や介護施設の弱者が猛暑の中で放置されるのは恥ずべきことだ」として、大規模なエアコン設置計画を公約に掲げた。また、環境派の慎重論について「非科学的だ」と批判を強めている。

英国保守党も、化石燃料開発の拡大を主張する一方で、猛暑による休校や診療中断への対応という政治的ジレンマの中、家計負担を軽減するクリーンエネルギーへの転換にも言及し、有権者への訴求を図っている。

一方、伝統的な環境派・左派勢力は、「エアコンの無秩序な普及はヒートアイランド現象や温室効果ガス排出を悪化させ、新たな災厄を招く」と反論している。

フランス気候省やパリ副市長らは、「エアコンは山火事や農作物被害を防ぐことはできず、建物の壁一面がエアコン室外機で覆われるような都市は避けるべきだ」との立場を示した。

ただ、猛暑の深刻さが想像以上に増す中、フランス緑の党でさえ病院や学校など不可欠な施設へのエアコン導入は避けられないとして、一部譲歩する姿勢を見せている。

異常気象による有権者の不満が右派ポピュリズムの原動力として作用する雰囲気が拡散しているのは確かだ。

一方で、欧州連合(EU)市民の85%が気候変動を深刻な問題と認識しているだけに、「目の前の適応策」と「長期的な解決策」のバランスをどう取るかをめぐる欧州の苦悩と対立は、今後さらに深まる見通しだ。

2026/07/02 09:21
https://japanese.joins.com/JArticle/351418

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