SKハイニックスが外国企業の米国新規公開株(IPO)史上最大規模となる40兆ウォン(約4兆3000億円)の調達に成功した。しかし米国上場そのものよりも人工知能(AI)投資サイクルがいつまで続くかをめぐり見方が分かれ、証券各社の目標株価は2倍以上の開きが出ている。
SKハイニックスは10日、米国預託証券(ADR)の公募価格を1株あたり149ドルに確定したと発表した。公募価格は前日の終値基準で約3%高い水準だ。SKハイニックスは今回の公募で計1億7790万株を発行し、265億700万ドル(約4兆3000億円)を調達する。今回のIPOは2014年の中国アリババ(250億ドル)を超え、外国企業の米国IPOで最大規模。米国IPO全体でもスペースXに次いで歴代2番目に大きい。SKハイニックスは同日、ナスダックで「SKHYV」という銘柄コードで条件付取引が開始される。13日からは「SKHY」で正規取引が可能となる。全発行済み株式の約2.5%にあたる最大1779万株を新株として発行し、公募手続きが完了する14日に資金が同社に入る。
SKハイニックスは調達した資金を竜仁(ヨンイン)半導体クラスター第1期ファブや清州(チョンジュ)P&T7アドバンスドパッケージング工場の建設、先端半導体生産設備の拡充などに投入する計画だ。特に来年末までに極端紫外線(EUV)露光装置の導入だけで11兆9000億ウォンを投資する。
今回の投資はHBMをはじめとする次世代DRAMの生産能力と先端パッケージングの競争力を高めるためだ。グローバル大手テック企業のAIデータセンター投資拡大を受け、高性能メモリーの需要増加傾向も続く見込みだ。
市場調査会社カウンターポイントリサーチは、サムスン電子、SKハイニックス、マイクロンなどのメモリー大手3社の今年4-6月期の平均営業利益率が75~80%にのぼると予測した。メモリーの好況も少なくとも来年まで続くという見方を示した。
競合他社の投資も加速している。マイクロンは最近、日本の広島に約14兆ウォンを投資し、次世代HBMの生産施設構築に入った。サムスン電子もHBMと先端パッケージングの競争力強化に向けて投資を拡大し、AIメモリー市場の主導権争いは一層激しくなる見通しだ。
しかしADR上場にもかかわらず、企業価値に対する評価は分かれた。BNK投資証券はSKハイニックスに対する投資判断「保有」と目標株価185万ウォンを維持した。報告書作成当時(8日)の終値(207万6000ウォン)より10.9%低い水準だ。BNK投資証券のイ・ミンヒ研究員は「AIサーバー用DRAMと企業用ソリッドステートドライブ(eSSD)は依然として供給不足だが、これを牽引してきたハイパースケーラー(大手テック企業)による競争的なAIインフラ投資はもはや有効ではない」と診断した。現在、市場は米国のクラウドサービス事業者(CSP)の来年の設備投資が23%増加すると予想しているが、メモリーと中央演算処理装置(CPU)の価格上昇、エージェントAIの拡散を考慮すると、少なくとも30~40%以上は増えてこそ現在の業績見通しを正当化できるという説明だ。
半面、多数の証券会社は依然としてAI投資の拡大に重きを置いている。9日、KB証券は目標株価420万ウォンと投資判断「買い」を維持し、「まだピークは遠い」と評価した。KB証券のキム・ドンウォン・リサーチ本部長は「米国でのADR上場を機にグローバル投資家の接近性が拡大し、今後は米国のADRと韓国本株のバリュエーション(企業価値評価)が同時に再評価されるだろう」と指摘した。NH投資証券(410万ウォン)、IBK投資証券・教保証券(各400万ウォン)、大信証券(390万ウォン)なども高帯域幅メモリー(HBM)の供給優位やAIメモリー需要の拡大などを根拠に「買い」の投資判断を維持した。
一方、ラトニック米商務長官はサムスン電子とSKハイニックスを名指ししながら「米国内にメモリー半導体の生産施設を建設してほしい」と促した。両社が湖南(ホナム、全羅道)圏だけで総額800兆ウォン規模の投資計画を発表した直後に出てきた要求であるため、米国が自国中心のサプライチェーン再編を露骨に強要しているとの見方が出ている。
ブルームバーグ通信によると、ラトニック長官は9日(現地時間)、米メモリー半導体企業マイクロンがニューヨーク州に建設中のファブ(工場)現場で「サムスン電子とSKハイニックスを米国に呼び込んでメモリー生産施設を建設させたい」と述べた。
同日、マイクロンは2035年までの米国内への投資規模を従来の2000億ドルから2500億ドルに大幅に拡大すると発表した。
この日、KOSPI(韓国総合株価指数)は前営業日比184.03ポイント(2.52%)上昇した7475.94で取引を終えた。サムスン電子(2.52%)やサムスン電子優先株(4.69%)、SKスクエア(6.18%)が上昇した一方で、SKハイニックスはわずかに下落(0.27%安)して218万ウォンで引けた。この日、外国人はサムスン電子を1937億ウォン買い越し、最も多く買い入れた半面、SKハイニックスは1兆7181億ウォンの売り越しとなり、売り越し額1位となった。
2026/07/11 09:54
https://japanese.joins.com/JArticle/351839