【社説】防衛産業のためNATOと「軍事的密着」の韓国、地政学的リスクを考慮すべき

投稿者: | 2026年7月11日

 李在明(イ・ジェミョン)大統領は7日(現地時間)、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席し、韓国とNATOの関係を、先端兵器を共同で開発・生産・運用する「韓・NATO防衛産業パートナーシップ2.0」へと格上げすることを提案した。首脳自らが前面に出て、「防衛産業」を媒介にNATOとの軍事協力をさらに強化するという明確な意志を示したのだ。欧州諸国に武器をより多く製造・販売するという「防衛産業外交」よりも、我々にとってより重要なのは朝鮮半島の平和と安定だ。今回の提案を行うにあたり、朝鮮半島を取り巻く地政学的リスクも十分に考慮したのか、国民ともっと積極的にコミュニケーションを図ることを望む。

 李大統領は7日、トルコのアンカラで開かれた「NATO防衛産業フォーラム」に出席し、「単なる武器取引を超え、共同研究、共同生産、共同運用を通じて協力の水準を高める『パートナーシップ2.0』を提案した」と、大統領府が発表した。NATOとの関係を、現在のような戦車や自走砲といった汎用兵器の売買関係から、潜水艦、防空ミサイル、戦闘機などの先端兵器を共同で製造・運用する深い戦略的関係、すなわち事実上の「同盟に準ずる関係」へと発展させようという提案だ。

 相手がこれを受け入れるかどうかとは別にして、このような決定には副作用がつきものだ。NATOはウクライナ戦争勃発直後の2022年6月末、ロシアについて「最も重大かつ直接的な脅威」だという認識を示した。NATOとの関係を強化すれば、ロシアとの関係が敵対的になる可能性が高い構造だ。ところが、韓国は北朝鮮の核問題の解決などのために、ロシアと円滑に意思疎通を図らなければならない立場にある。歴史を振り返っても、ロシアは常に朝鮮半島の運命に決定的な影響力を行使してきた。南北分断、朝鮮戦争、冷戦の終結などがその例だ。北朝鮮が「核保有国」として扱われ始めたのも、2024年6月に北朝鮮とロシアが同盟関係を回復してからだった。ウィ・ソンラク大統領府国家安保室長はこの日、こうした懸念に対して「中国・ロシアとの関係への影響は大きく変わることはないだろう」と述べた。

 李大統領のNATO首脳会議への出席が公表されたのは、今月3日のことだった。日本など他のインド太平洋パートナー国(IP4)の首脳が全員出席を見送った中、意外だという反応が多かった。60兆ウォン(約6兆4700億円)規模の「次世代潜水艦導入事業」(CPSP)を推進するカナダが、韓国企業ではなく同じNATO加盟国であるドイツ企業に傾いているという事実が、大統領府に伝えられた時期だったのだろう。政府の苦渋の決断は理解できるが、武器販売とは友と敵を分ける高度な「政治的行為」だ。経済的な尺度だけでアプローチすれば、大きな失敗を招く恐れがある。

2026/07/08 19:38
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/56663.html

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