スポーツほど結果が重要視される分野も珍しい。逆転勝利すれば「采配の勝利」と称賛され、低調な試合で敗れれば「逆賊」とまで非難される。これは監督だけでなく協会会長にも同じことが言える。それほど発展が見られず、さらにクリンスマン氏ら代表監督選任をめぐって相次いで公平性をめぐる疑惑が浮上した以上、誰かが責任を取る必要はあった。しかしサッカー界では今でも鄭前会長の貢献は決して少なくないとの声も多い。国内プロリーグが一流であってこそ代表チームの戦力向上も期待できるが、Kリーグ1部・2部の29チームのうち黒字を出しているクラブは一つもない。実業団チームとそれほど変わらない。その中でも17クラブは地方自治体が資金を拠出する市民クラブだ。これは昨年、日本のJ1リーグ20クラブのうち15クラブが黒字を出した状況とは大きく異なる。こうした事情から鄭前会長が釜山アイパークをはじめとする3つのプロクラブを運営してきた点だけを見ても、現代グループによるサッカー界への貢献は大きい。
公正性がこの時代の重要な価値ではあるが、サッカー代表チームの監督選任過程において公正性を絶対的な基準のように適用するのは無理がある。洪明甫監督の選任過程を徹底的に検証した2024年の国政監査で指摘された問題の一つは、資格条件のない当時の李林生(イ・イムセン)サッカー協会技術総括理事が介入したことが協会内部規定に違反していたという点だった。しかしサッカー界では監督選任はスカウトに近いものだという声が多い。そこまで細かく規定を問いただすものではないということだ。イタリアやフランスのような国ではむしろ協会会長が監督選任に強い影響力を行使することも少なくないという(イ・ジョンソン漢陽大学スポーツ産業科学部教授)。それは、監督を公正な手続きで選んだからといって代表チームの戦力が比例して向上すると考えていないからだという。いずれにしても聴聞会をもう一度開いたからといって新たな重大な不正行為が明らかになるとは思えない。国民的な怒りに便乗したかのような聴聞会は開催しないのが正解だと考える。
シン・ジュンボン/論説委員
2026/07/22 15:57
https://japanese.joins.com/JArticle/352407