「スプラッシュ(Splash)」。
5日午後4時30分ごろ、京畿道抱川市(ポチョンシ)のロドリゲス射撃場に設置された訓練指揮所。緊迫感が漂う中、米海兵隊の隊員が無線機に低くて短い声で攻撃命令を出した。
すると射撃場内の木々の間から一人称視点(FPV)の攻撃型無人機(ドローン)がすぐに飛び立った。ドローンは約900メートル先の標的に向かって最高時速130キロで突進した。赤い閃光とともに「ドーン」という重々しい爆発音が響いた。結果は命中だった。攻撃命令が下されてから命中するまで3秒しかかからなかった。
この日、米海兵隊は韓半島(朝鮮半島)で初めて実施したFPV攻撃型無人機の実弾射撃訓練を韓国の報道陣に初めて公開した。訓練を実施したのは韓米海兵隊交流プログラム(KMEP)訓練に参加するため米本土から一時展開していた米海兵隊第3海兵師団第7海兵連隊の隊員だった。有事の際、米海兵隊が韓半島に展開した場合を想定し、増援部隊の作戦遂行能力を強化するための訓練とみることができる。
ピーター・アンクニー在韓米海兵隊副司令官(大佐)はこの日、記者団に対し「すべての核心は連合対応態勢にある。今後、実際に展開する可能性のあるこの朝鮮半島の地形で、米海兵隊が自ら地上でこのような能力を実証できること自体が非常に大きな機会」と述べた。
訓練の主な目的は、米軍が運用するFPV攻撃型ドローンを韓半島の山岳地形で実戦的に試験・評価することだった。この日は最高気温が37度で、立っているだけでも汗が流れる暑さだったが、隊員ら訓練に集中していた。訓練には計11機のドローンが投入され、うち実弾射撃訓練用のFPVドローン6機はいずれも目標物に命中した。
特に、この日の訓練で使用されたドローンはクアッドコプター型自爆ドローン「ネロス・アーチャー」で、ウクライナ戦場にも実戦配備されたFPVドローンだ。これまで約6000機が納入されたという。
これを踏まえると、この日の米海兵隊の訓練には、ロシア・ウクライナ戦争で使用されたFPVドローンが韓半島の気候や地形に有効かどうかを検証するという意味もある。北朝鮮軍はロシア派兵を通じてFPVドローンの実戦運用方法を習得したが、実際、クルスク戦線ではウクライナ軍のFPVドローンにすぐに適応する姿を見せた。
ネロス・アーチャーは目標に直接ぶつかる「ヒット・トゥ・キル(Hit-to-Kill)」方式の自爆型ドローンで、命中する瞬間まで機体に搭載されたカメラの映像を通じて精密な誘導が可能だ。実際の訓練現場では操作用端末を通じて、ドローンの視点(FPV)から飛行の様子をリアルタイムで確認できる。
何よりも1機あたり約700万ウォン(約78万円)というコストパフォーマンスに優れた兵器だ。最大射程は25キロ、最高速度は時速130キロ、搭載可能重量(ペイロード)は約3キロだ。4枚のプロペラがあり、全長・全幅は30~40センチでバックパックほどの大きさしかないが、対戦車・対物・対人用の各種弾頭を搭載できる。対戦車弾頭は一般的な戦車の装甲を基準に約100ミリの装甲を貫通できる破壊力を持つ。
このドローンは主に米陸軍および日本に駐留する米海兵隊で運用されているが、現時点では在韓米軍には配備されていない。これについてアンクニー副司令官は「米海兵隊が新たな戦力を保有することになれば我々は同盟国と共有するために最善を尽くす。韓国軍が新しい戦力を獲得した際に我々と共有するように、我々に新たな戦力が加われば当然それを韓国軍とも共有する」と強調した。
米海兵隊は歩兵小銃分隊・小隊に配備されている火器システムの射程を大きく上回る、20キロ以上の遠距離偵察および精密打撃が可能な兵器システムとしてFPVドローンを活用している。米海兵隊および韓国陸軍の小部隊が運用する60ミリ・81ミリ迫撃砲の射程はおよそ3~5キロ程度だが、誘導機能を備えたFPVドローンは命中精度の面でも迫撃砲を上回るとの評価を受ける。
今回の実弾射撃訓練で使用されたドローンは、米国防総省から中国製部品がほとんど含まれていないことを意味する「Blue UAS」認証も受けたという。現場に同席したドローン供給企業ネロスの関係者は「中国製の主要部品は一切使用しておらず、部品は米国やアジア地域など複数の場所から調達・製造している。例えばモーターは台湾で製造し、モーター内部の磁石には日本製のものを使用するなど、中国を完全に排除したサプライチェーンを構築している」と説明した。
この日の訓練地の抱川を含め、韓国の全国の大部分の地域には「猛暑重大警報」が発令されていた。午後3時に予定されていた射撃は、安全手続きを順守するため1時間半ほど延期されたものの、予定通り実施された。
米海兵隊の関係者は「戦場の天候は我々の思い通りにはならない。韓国特有の地形だけでなく、韓国の夏の高温多湿な環境や冬の厳しい寒さを実際に経験できるのは貴重な機会」と述べた。
これに先立ち米海兵隊は最前線に近い地域で中小型無人機「ストーカー」の飛行訓練を実施していた際、韓国陸軍第1軍団との意思疎通問題で混乱が生じる事態もあった。これに関しアンクニー副司令官は「この件については報道で公開されている情報がすべて」と回答を避けた。
2026/08/06 15:31
https://japanese.joins.com/JArticle/353158