日本の有名カレーチェーン店の「カツカレー」の値段で換算した円の適正価値は1ドル=62円だ。だが現在の市場為替相場は160円に迫る。米日当局の大規模協調介入にも円相場はなかなか本来の位置に戻れずにいる。適正相場と実際の相場の差が2倍以上開いた状態で、円安が世界の金融市場の不安要因に浮上する理由だ。
インベスティング・ドットコムなどによると、17日の円相場は1ドル=159円台だ。先月末に164円に迫った相場は米日協調介入直後に155円台まで円高に振れた。だが2週間もたたずに相当部分反騰した。
円の低評価はバンク・オブ・ニューヨーク・メロンのジェフ・ユー首席戦略家の「カツカレー指数」にも現れている。ユー氏は英エコノミストの「ビッグマック指数」に着眼し、日本のカレーチェーン「CoCo壱番屋」の国別カツカレー価格を比較した。
購買力平価(PPP)の原理で日本と米国の価格が同じになる為替相場を逆算した結果、適正円ドル為替相場は1ドル=62.18円だった。ビッグマック指数の80.3円、経済協力開発機構(OECD)購買力平価の約97円よりも低く、円がより大きく低評価されたと分析した。ユー氏は「他の高所得国と同様の購買力水準を回復するには円はいまよりはるかに強くならなければならない。カツカレーやラーメン1杯の価格さえ手が出なくなるほどになれば政策転換への要求も大きくなるだろう」と話した。
問題はこうしたシグナルにも市場がなかなか円を買わない点だ。背景には日本の低金利がある。米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利は年3.50~3.75%、日本銀行は1.00%だ。低金利の円で米国の株式や債券などに投資する「円キャリートレード」への誘引は相変わらずだ。
日本銀行が金利をさらに上げれば金利差を減らすことができるが、莫大な政府負債が足を引っ張る。この日日本の10年物国債利回りは取引時間中に2.93%を記録し、1996年9月から30年ぶりの高水準を記録した。来月の追加利上げの可能性から債券の売り傾向が強まったためだ。利上げは円防衛には役立つが、国債利回り負担を増やす。円安を抑えようとするには金利を上げなければならないが、さらに財政負担が大きくなるジレンマになる形だ。
円安が続けば米国債市場にも問題が拡散しかねない。日本は世界最大の米国債保有国で5月末基準1兆1431億ドル相当を保有している。円買のため米国債を大規模に処分すれば米国の長期金利が上がる恐れがある。TDエコノミクスは日本の投資家の米債券売りが続けば米国債10年物利回りを0.20~0.50%引き上げることになると推定した。
反対に円が急騰しても危険だ。円を借りて海外資産を買っていた投資家が米国株式・債券を売って円を買い負債を返すいわゆる「円キャリー解消」に出る恐れがあるためだ。円キャリーの巻き戻しは2024年8月にもあった。日本銀行の利上げと米国の景気鈍化の懸念が重なって円が急騰し世界の証券市場が揺れ動いた。
元大証券のキム・ホジョン研究員は「円と日本国債の変動性が大きくなれば日本投資家の米国債再投資が減ったり、レバレッジを活用した世界的投資家が米国債投資を減らし米国の長期金利上昇につながる可能性がある。重要なのは日本の金融市場の調整がどれだけ秩序正しくなされるか」と話した。
ウォール街のベテラン投資戦略家エド・ヤルデニ氏は最近の報告書で「資産取引者などは円キャリートレード崩壊の有無を注視している。現在の金融システムは円を受け台とした巨大なジェンガタワーのようだ」と診断した。
2026/08/18 08:02
https://japanese.joins.com/JArticle/353659