高市首相、トランプ氏の圧力にも「ICCを支援する」…米国の制裁には「深い懸念」

投稿者: | 2026年10月12日

「わが国(日本)は国際社会における法の支配を一貫して重視し、その役割を担うICCを支持している」

高市早苗首相は9日、米国が国際刑事裁判所(ICC)を制裁対象に指定したことについて「深く懸念している」とし、X(旧ツイッター)を通じてこのように明らかにした。また、「赤根智子所長や関係国との意思疎通も継続しつつ、ICCが本来の役割と機能を果たせるよう必要な支援を行う」と強調した。

 これに先立ち、マルコ・ルビオ米国務長官は同日、ICCに対する制裁を発表し、同盟国にも同調するよう求めた。また、同盟国が従わなくても、米国はICCの解体に向けた圧力をかけ続けるとの立場も明らかにした。こうした中、高市首相は米国の制裁に懸念を表明するだけでなく、裁判所の活動を支える意向を明示した。

高市首相の今回の対応は、8月に米国が日本人の赤根所長を個人制裁の対象に指定した際とは対照的だ。当時、高市首相は制裁発表の翌日、記者団の質問に対して「非常に遺憾に思う」と答えるにとどまった。与野党議員の間でも、日本政府の対応が消極的だとの批判が出た。

今回は違った。米国務省が9日に制裁を発表すると、高市首相はわずか10分後の午後11時25分(日本時間)にICCを支援する立場を投稿した。首相の投稿に続き、茂木敏充外相も「(米国の決定は)日本の一貫した立場と相容れるものではない」とのメッセージを発信した。ただし、ICCについても「 その本来の役割と機能を果たし、普遍的な裁判所として国際社会の信頼に足り得るためには、 ICCが抱える課題にICCや締約国が対処し、適正な運営がなされることが重要」と付け加えた。

毎日新聞は「(8月に)『弱腰』批判を国内外から受けたことも意識し、今回は迅速な発信を準備していたとみられる」と分析した。

一方、トランプ政権が9日に発表した措置は、ICCという機関全体を標的とした。米国を拠点とする金融サービスやテクノロジー企業へのアクセス、ドルの使用などを遮断する措置だ。

ICCと取引する米国企業や個人には、既存の取引を整理できるよう6カ月の猶予期間を設けた。裁判所の資金決済や業務システムなど、運営基盤に圧力をかける措置だ。米国は、ICCが米軍のアフガニスタンでの戦争犯罪疑惑を捜査し、イスラエル指導部に逮捕状を発付したことを問題視してきた。

制裁の発表は、ICC判事を務めた南アフリカ共和国の法律家ナビ・ピレイ氏のノーベル平和賞受賞が発表されてから数時間後に行われた。国際司法の役割を認めたノーベル委員会の決定と、裁判所に圧力をかける米国の措置が同じ日に出されたことになる。

9日の受賞発表後、ドイツで開かれた行事で聴衆の拍手が続くと、「もう少し拍手していただければ、トランプ氏とこの賞を分かち合うことになるかもしれない」と冗談を飛ばしたピレイ氏は、10日にオスロのノーベル平和センターで開かれた行事にオンラインで参加し、「裁判官が司法判断を下したという理由だけで、一国が制裁を発表した。前例がなく、容認できないことだ」と批判した。

ノーベル平和賞の受賞を期待してきたドナルド・トランプ米大統領は9日(現地時間)、ニューヨーク州シラキュースでの中間選挙の遊説などを通じて、受賞者の選定に不満を示した。トランプ大統領は自身が複数の戦争を阻止したと主張し、今回の決定をノーベル委員会の「消すことのできない汚点」と非難した。

一方、ロシアもICC関係者への圧力に乗り出した。

ロシア検察は8日、赤根所長とカリム・カーン前主任検察官ら計9人の身柄の引き渡しをオランダなど複数の国に要請したと発表した。赤根所長は2023年、ウクライナの子どもを違法に強制移送した疑いで、ウラジーミル・プーチン露大統領に対する逮捕状を発付した裁判部に加わっていた。ロシアは、自国がICCの非締約国であるにもかかわらず、ロシア国民を違法に起訴し、逮捕状を発付したと主張している。

尾崎正直官房副長官は9日、ロシアの措置について「不当であり、受け入れられない」と明らかにした。

2026/10/12 07:52
https://japanese.joins.com/JArticle/356134

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