東京に再び登場したごみ箱【萬物相】

投稿者: | 2026年10月23日

 ヴィム・ヴェンダース監督の2023年の映画『PERFECT DAYS』は、「清潔な日本」というイメージを素材にした作品だ。東京の公衆トイレの清掃員が、便器を食器のように丹念に磨き、トイレの周辺まできれいに掃除する場面を見ると、「だから日本は清潔なのだ」と自然に思わされる。飲料の空き缶や紙くずが転がっている場面を想像できず、サッカー観戦後には自分が座った場所を掃除して帰る国、日本の長年のイメージだった。

 日本を旅行する観光客が最も不便に感じるのは、街の中にゴミ箱がないことだ。一方、日本人は「道端で捨てるものがないのに、なぜゴミ箱を設置するのか」と言い、「個人のゴミは袋に入れて家に持ち帰ればよい」と考える。たばこの吸い殻も携帯灰皿に入れ、別に捨てる。1995年ごろから、日本の大都市ではゴミ箱が徐々に姿を消していった。

 ところが、「清潔な先進国」日本のイメージを壊す記事が本紙国際面に掲載された。併せて掲載された写真には、東京の都心の通りが捨てられた空き缶や紙くず、たばこの吸い殻で雑然としている様子が写っていた。押し寄せる観光客のせいかと思ったが、そうではなかった。ある自治体が調査したところ、ゴミのポイ捨てで摘発された外国人は25%にすぎず、残りはすべて内国人の仕業だった。結局、自治体は撤去していたゴミ箱を再び設置し始めた。一部では「割れ窓効果」のせいだとする。無傷の窓には石を投げないが、割れた窓には石を投げたくなるように、外国人観光客が先にゴミを捨てるので、それにつられて捨てている―という話だが、苦しい言い訳であり、日本の誇りを自ら手放す行為にすぎない。

 誇らしかった姿を失いつつある先進国は日本だけではない。欧州を代表する模範国家だったドイツも、以前とは違う。数年前にドイツ留学を終えて帰ってきた知人は「ドイツのインフラは最近めちゃくちゃで、列車だけ取り上げて見ても、5-6年前から常習的な遅延のせいで信頼できない交通手段に転落した」と語った。さらに「欧州の諸都市を旅行すると、治安や衛生、生活の利便性がソウルに劣っている」とも話した。

 随筆家の金素雲(キム・ソウン)は、1952年に刊行した『木槿通信』で、「日本は勤勉でファッション感覚に優れ、世界最高水準の出版部数を誇る先進国」だが、「われわれには貧しさとみすぼらしさしかなく、どの面から見ても人前に掲げて誇れるものがない」と嘆いた。韓国の1人当たり国民所得は、今や日本と肩を並べている。ソウルはCNNとル・モンドが「必ず行くべき旅行先」の筆頭に挙げる。目覚ましい成果ではあるが、欧州と日本の例を見ると、軽々しく満足してよいものではないという思いもする。

2026/10/23 15:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2026/10/22/2026102280164.html

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