SKハイニックスは、人工知能(AI)によるメモリ需要の急増に支えられ、第4四半期の売上高が100兆ウォン(約11兆7000億円)を突破し、過去最高の業績を記録した。同社は今年、約100兆ウォンを株主に還元すると発表する一方、国内外の設備投資を拡大する計画だ。また、2030年までメモリの供給が需要に追いつかないと表明し、最近浮上した「半導体ピーク(頂点)」説を払拭した。これを受け、KOSPI(韓国総合株価指数)が6%以上急騰した。
■売上高100兆ウォン突破…「供給不足は2030年まで」
SKハイニックスは28日、第3四半期の連結ベースで売上高104兆6155億ウォン、営業利益83兆3338億ウォンを記録したと公示した。前四半期に比べ、それぞれ32%、38%増加した規模であり、四半期の売上高が100兆ウォンを超えたのは初めて。営業利益は、金融情報会社「エフエンガイド」がまとめた証券会社の営業利益予想値の平均(76兆9640億ウォン)を上回り、営業利益率は79.6%に達した。10万ウォンのメモリチップの販売で、8万ウォン近い利益を残したという意味だ。サーバー用DRAMや企業向けソリッドステートドライブ(eSSD)の需要が増加した上、メモリ価格も上昇を続けた。
同社は、2030年まで需要が供給を上回る状況が続くと見通した。キム・ウヒョン最高財務責任者(CFO)はこの日の決算説明会で、「最先端プロセスの技術的難易度が高まり、新規生産施設の建設には時間がかかるため、供給が需要に追いつかない状況が2030年まで続くだろう」と語った。ハイニックスは、世界の大型クラウド企業を含む14社と長期供給契約(LTA)を締結しており、現在顧客企業と協議中の需要を考慮すると、2029年までのDRAMおよび広帯域幅メモリの供給量は事実上完売したと述べた。
■広がりを見せるAI投資
AIインフラ投資に対する収益化が遅れているという市場の懸念については、「クラウド事業者だけでなく、一般企業による独自のAIインフラの構築やソブリンAIへの投資などにより、需要が多層化しつつあり、投資基盤が急速に広がっている」と説明した。投資主体が少数のビッグテック(巨大テクノロジー)企業から、一般企業や国家レベルへと広がっているという説明だ。中国のメモリメーカーによる追撃については、実際の量産競争力が重要だとし、自信を見せた。最近、長鑫存儲技術(CXMT)が次世代DRAM構造の「4F2」を適用したサーバー用DRAMを年末までに発売すると発表したことについて、SKのDRAMマーケティング担当のパク・ジュンドク氏は、「技術の実現と実際の商用化のタイミングは区別して見る必要がある」と述べた。
証券業界からは前向きな見通しが示された。ユジン投資証券のソン・インジュン研究員は、「アンソロピックの上場具体化とハイパースケーラーの業績発表により、今後の需要面への懸念も徐々に解消されるものとみられる」と分析した。大信証券のリュ・ヒョングン研究員も、「今年の第4四半期には、史上初めて四半期営業利益が100兆ウォンを突破すると予想される」と話した。
■100兆ウォンの株主還元計画
市場の注目は株主還元に向けられた。同社は今年度の株主還元規模を約100兆ウォンと提示した。自社株の買い入れ・消却に60兆ウォン以上、現金配当に30兆ウォン以上を充てる計画だ。これまでに決まった額は約64兆ウォン。8月に決議した40兆ウォン相当の自社株は買い取りを完了し、まもなく消却する予定で、この日新たに決議した20兆ウォン相当の自社株のうち10兆ウォンも消却する。残りの10兆ウォンは役職員への報酬に充てられ、還元規模からは除外された。
第3四半期の配当は1株当たり2万ウォンで、総額14兆ウォンに達する。業績に基づく通常配当1万ウォンに、日本のキオクシアへの投資による利益を分配する特別配当1万ウォンを加えた。単純に逆算すると、第4四半期には35兆〜36兆ウォン程度の追加還元が残る。キム・ウヒョン最高財務責任者は、「年間の買い入れ規模の範囲内で、四半期ごとに継続的に(自社株を)買い入れる予定だ」と述べた。これに先立ち、ハイニックスは2025〜2027年の3年間、累積フリーキャッシュフロー(FCF)の50%以上を株主還元にあてると発表した。
今回の還元策は、ハイニックスの米国NAND子会社「ソリダイム」の上場検討を中断した後、初めて打ち出されたものだ。ソリダイムを米国株式市場に上場させようとする動きに対し、ハイニックスの株主価値が損なわれるという批判が激しく、イ・チャンジン金融監督院長とイ・ウォンゴン金融委員長も国政監査で、親会社であるハイニックスの取締役会の義務を強調するなど、当局の懸念を伝えた。その後、同社は23日、上場検討を中止したという公式見解を発表した。市場の激しい反発を受けて打ち出された還元策であるため、キオクシアへの投資収益を特別配当として還元したのは、株主をなだめるための措置とみられる。ただし、これは2018年の投資に起因する一時的な収益であり、毎年繰り返されるような還元ではない。
ハイニックスの株価はこの日、業績発表・株主還元に関するニュースを受けて10.89%急騰し、148万7千ウォンの終値を記録した。サムスン電子も9.01%高の24万2千ウォンで引けた。2大半導体株に資金が集中し、KOSPIは6.63%高の6012.44で取引を終え、2週間ぶりに「6000ポイント」を取り戻した。
2026/10/29 00:23
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/57515.html