韓国国家情報院の李鍾奭(イ・ジョンソク)院長は29日、国会情報委員会で「鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官の『北朝鮮・亀城(クソン)核施設』に関する発言などにより、一部の情報が制限されている」と明らかにした。韓米関係に異変が生じているとの見方が広がる中、情報機関のトップが米国による情報共有の制限を直接認めた形だ。
国会情報委員会の幹事を務める共に民主党の尹建永(ユン・ゴンヨン)議員と国民の力の柳栄夏(ユ・ヨンハ)議員は、李院長が同日、ソウル市内谷洞(ネゴクトン)の国家情報院で行われた非公開の国政監査でこのように答えたと明らかにした。李院長は「韓米の情報協力は適切に行われているのか」との質問に対し、「『亀城』に関する発言などにより、一部の情報が制限されているものの、それ以外の情報に対する制限は全くない」と述べる一方、「鄭長官の発言の情報源は国家情報院ではなかった」と一線を画した。鄭長官は今年3月、国会外交統一委員会で「寧辺(ヨンビョン)、亀城、降仙(カンソン)にウラン濃縮施設がある」と述べ、亀城の核施設に言及したことで物議を醸した。
李院長は「(米国による)情報の制限はごく一部に限られており、国家情報院が保有する偵察資産で十分に補うことができる」とし、「韓米の情報協力に問題はない」と強調したという。
国家情報院は国政監査で、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の高度化と核物質の増産に注力すると同時に、通常兵器体系も強化する「核・通常戦力の並進路線」を鮮明にしていると評価した。また、北朝鮮が射程距離に応じた火力の強化を進めているとし、600ミリ超大型放射砲の前方配備の可能性を注視していると明らかにした。北朝鮮とロシアの軍事協力については、主要兵器の部品調達や技術移転を巡る協議が行われている可能性について調査を進めていると明らかにした。
こうした中、北朝鮮は同日、元山(ウォンサン)一帯から東海(トンヘ、日本名・日本海)に向けて短距離弾道ミサイル(SRBM)10発余りを発射した。12日以来17日ぶりの挑発行為で、23日に韓国政府が南北軍当局間の会談を提案してから6日後のことだ。
韓国軍合同参謀本部によると、韓米軍当局は29日午後0時30分ごろ、北朝鮮の元山一帯から東海に向けて発射されたミサイル10発余りを探知した。合同参謀本部は「約250キロメートル飛行し、韓米が正確な諸元を精密分析している」と明らかにした。日本の防衛省は「北朝鮮が発射した弾道ミサイルと推定される物体は、日本の排他的経済水域(EEZ)の外側に落下したとみられる」と発表した。
韓国軍内外では、北朝鮮が600ミリ超大型放射砲(KN-25)を発射したとの見方が有力視されている。600ミリ放射砲は射程約400キロメートルの短距離弾道ミサイル級の兵器で、韓半島(朝鮮半島)全域が射程圏内に入る。従来型の放射砲など、別の種類の兵器を交えて発射した可能性も指摘されている。複数の兵器体系の性能を同時に点検した可能性があるということだ。
今回の発射は、先月21日に非武装地帯(DMZ)で発生した地雷爆発事故以降、3度目のミサイルによる挑発行為となる。韓国政府は23日、軍事境界線(MDL)の正確な位置を相互に確認し、偶発的な衝突を防止するため、南北軍事会談を提案した。しかし、北朝鮮は特に反応を示さないまま、6日後にミサイルを発射した。国連総会による核軍縮決議案の採択も、今回の挑発行為の背景として指摘されている。国連総会第1委員会が27日(現地時間)に採択した決議案には、北朝鮮を核保有国として認めることはできないとの内容が盛り込まれた。
韓国大統領府の国家安保室は緊急安保状況点検会議を開き、北朝鮮による弾道ミサイルの発射は国連安全保障理事会決議に違反するとして、直ちに中止するよう求めた。
2026/10/30 06:44
https://japanese.joins.com/JArticle/356997