北朝鮮は29日、元山(ウォンサン)一帯から東海(トンヘ、日本名・日本海)上に短距離弾道ミサイル(SRBM)約10発を発射した。今月12日以来17日ぶりの挑発で、23日に韓国政府が南北軍事当局者会談を提案してから6日後のことだ。韓国政府の提案に武力示威で応えると同時に、北朝鮮の非核化を求めた国連総会決議に反発するなど複数の目的があるという分析が出ている。
韓国軍合同参謀本部によると、韓米両軍当局は同日午後0時30分ごろ、北朝鮮の元山一帯から東海上に発射されたミサイル10発余りを捕捉した。合同参謀本部は「約250キロ飛行し、韓米両国が正確な諸元を精密分析している」と明らかにした。日本防衛省は「北朝鮮が発射した弾道ミサイルと推定される物体は、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられる」と発表した。
韓国軍の内外では、北朝鮮が600ミリ超大型放射砲(KN-25)を発射した可能性が高いとの見方が出ている。600ミリ放射砲は射程約400キロの短距離弾道ミサイル級兵器で、韓半島(朝鮮半島)全域が射程圏内に入る。通常型の放射砲など別の機種を混ぜて発射したという指摘もある。複数の兵器体系の性能を同時に点検した可能性があるということだ。
今回の発射は、先月21日に非武装地帯(DMZ)で地雷爆発事故が発生して以来3回目のミサイル挑発となる。韓国政府は今月23日、軍事境界線(MDL)の明確な位置を相互確認して偶発的な衝突を防ぐための南北軍事会談を提案した。北朝鮮は特段の反応を示さないまま6日後にミサイルを発射した。対話ではなく軍事的圧力を選択したということだ。
国連総会で核軍縮決議案が採択されたことも今回の挑発の背景に挙げられている。国連総会第1委員会が27日(現地時間)に採択した決議案には、北朝鮮を核保有国として認めることはできないとの内容が盛り込まれた。北朝鮮の核・ミサイルの「完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄(CVID)」を求める内容も明記された。北朝鮮は会議の終盤、「いわゆる北朝鮮の非核化は、理論的にも実践的にももはや覆すことのできない形で最終的な結論が出された議題だ」と反発した。
韓国の国家安保室は同日、緊急安全保障状況点検会議を開き、北朝鮮による弾道ミサイル発射は国連安全保障理事会決議違反だとして即時中止を求めた。
フィリピンで開かれた拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)に出席した康信哲(カン・シンチョル)国防部長官も「今この瞬間も北は多数のミサイルを発射し、韓半島と地域の安全保障を脅かしている」と批判した。康長官は北朝鮮とロシアの軍事協力が北朝鮮の核・ミサイル能力の高度化を後押ししていると指摘する一方、「北が軍事会談の提案に応じて対話の場に出てくることを期待する」と述べた。
2026/10/30 09:47
https://japanese.joins.com/JArticle/357020