専門家は韓国の山林の構造的問題として、①林道の著しい不足②ヘリなど山火事消火装備が不十分なこと③木の種類が燃えやすい針葉樹中心であること――の3点を挙げた。
■消防車を投入するための林道の不足
林道は消防車が入ることができる車道のことで、山火事に備えて整備される。林道のない山は消防車が登れないため、ヘリで消火作業を行わなければならないが、効率が低い。ヘリは安全上、夜間に飛行できない上、昼間も煙やほこりが濃ければ活動できない。このため、山林当局は今回の山火事の鎮圧に苦労した。ヘリを総動員して鎮火しても、夜間に再び延焼した。山林庁は「林道がある山は消防車が森の中に深く入り、夜でもホースで放水ができ、山火事の鎮火効率が5倍以上高い」とした。同庁関係者は「林道から1メートル離れるごとに、山火事の被害面積が1.55平方メートル増加するという調査結果もある」と話した。林道は続く山火事の延焼を阻止する「防火線」の役割も果たす。
しかし、韓国は他国に比べて林道の数が少ない。韓国の山林1ヘクタール当たりの林道は4.1メートルで、ドイツ(54メートル)日本(24.1メートル)より短い。国土全体に占める山林の割合が韓国と似ているフィンランドは5.8メートルだ。山林庁によると、今回の山火事で大きな被害を受けた慶尚北道義城郡の防火林道は710メートルだった。安東市と慶尚南道には防火林道がない。
今回山火事が発生した蔚山市蔚州郡は林道の有無によって明暗が分かれた。3月25日に山火事が起きた蔚州郡の華蔵山には幅3メートルの林道があり、昼だけでなく夜間も消火作業ができた。消防車92台と隊員1240人が徹夜で放水した。その結果、火災発生から20時間で火の勢いを抑えることができた。一方、同じ蔚州郡でも林道がない大雲山は22日の山火事発生後、鎮圧に至ったのは128時間後の28日のことだった。
国立山林科学院は2020年、「山林特性を考慮した林道密度目標量算定研究」で「韓国の山には1ヘクタール当たり少なくとも6.8メートルの林道が必要だ」と指摘した。そのためには、林道1万6000キロを追加で整備しなければならない。問題は予算だ。山林庁は今年、防火林道91キロの整備に1574億ウォン(約160億円)がかかると試算した。
山が私有地である場合、地権者の同意を得なければならず、環境団体の反対もクリアしなければならない。ソウル大グリーンバイオ科学技術研究院のカン・ホサン教授は「特別法をつくり、山火事が起きやすい地域は地権者の同意なしで林道を整備できるようにすべきだ」と指摘した。
■大量放水可能な大型ヘリの拡充を
崇実サイバー大消防防災学科のパク・チェソン教授は「大規模な山火事を効果的に消すためには、一度に多くの水をまくことが重要だ」とし、「少しずつ水をまいても山火事の延焼を阻止するレベルにしかならない」と話した。5000リットル以上の水を積んで飛行できる大型ヘリが必要だとの指摘だ。
現在、山林庁が保有している消火ヘリ50機のうち、容量が5000リットル以上の大型ヘリは7機だ。容量が1000~5000リットルの中型ヘリが32機で最も多く、11台は1000リットルも積み込めない。
大型ヘリ7機は、米国製シコルスキーS-64(容量8000リットル)だ。ところが、2機は整備中であり、今回の山火事では5機しか投入できなかった。山林庁の主力ヘリであるロシア製のカモフ(容量3000リットル)は、29機のうち消火現場に投入されたのは16台だけだった。8機はロシア・ウクライナ戦争の影響で部品の供給が止まり、飛行できなくなっているという。
今回は地方自治体や軍が保有しているヘリも動員したが、これらのヘリは容量がさらに少ない。このため、慶尚南道山清郡には在韓米軍の輸送ヘリ「ブラックホーク」「チヌーク」が投入された。
2025/04/02 09:40
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