米トランプ政権の関税発効が現実化した中、米国が日本に農産物輸入の拡大を求めるという見通しが出ている。
9日、共同通信によると、米国通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表は、米連邦議員の上院聴聞会で、日本と開始する関税交渉について言及し、「農産物市場への接近を拡大、改善できると思う」と答えた。関税より良い「代案」を提示すれば、「交渉」が可能だという立場を示しただけに、日本はこの発言を重く受け止めている。先月にも米国大統領報道官が日本に言及し「コメ」に対する関税率を問題視したことがあるためだ。日本にはコメの輸入は敏感な問題で、日本は一定量だけの輸入が義務付けられる形でコメ産業を保護している。
共同通信はグリア代表の発言に対して「米国産輸入品の受け入れを要求する可能性が大きい」とし、農産物が両国関税交渉の焦点になるという見方を示した。
日本は対策作りに苦心している。グリア代表が日本との交渉を「今後数週間以内に議論する」と発言しただけに、日本側が関税交渉に備える時間は十分でないためだ。林芳正官房長官はこの日の記者会見でグリア代表の発言について「米政府高官の発言にいちいちコメントすることは差し控えたい」とし「引き続き、米国に対して関税措置の見直しを強く求める」と明らかにした。関税発動への懸念も示した。「米国政府による広範にわたる貿易制限措置は日米両国の経済関係、ひいては世界経済や多角的な貿易体制の全般などに大きな影響を及ぼすだろう」としながらだ。林長官は「首相の指示をもとに米国関税措置の内容を精密に調査し、日本に及ぼす影響を十分に分析する」と明らかにした。
類を見ない関税発動に日本の動きも早まっている。時事通信によると、同日午後4時、財務省や金融庁、日本銀行が一堂に会し、相互関税対策について話し合った。前日、石破茂首相が関税交渉のために自身が本部長として直接指揮する総合対策本部を設けたことに続き、金融政策担当者が集まって株式市場の暴落と為替などに対する協議に乗り出したのだ。
政界でも経済に悪影響を与えることを懸念してきた対策まで取り上げられている。読売新聞によると、連立与党の自民党と公明党内で「支援金」を与えようという動きが捉えられている。石破首相の支持率が下落しているうえに、7月の参議院選挙を控えているため、「高関税」から国民を守らなければならないという声が上がっているということだ。具体的な数字も口にした。一律に3万円以上の支援金を支給しようということだ。読売新聞は「政府が大規模な支給措置に踏み切る場合、財源は数兆円規模に達し、今年の追加補正予算案の編成が必要になるものとみられる」と見通した。
2025/04/10 08:54
https://japanese.joins.com/JArticle/332359