トランプ大統領の関税猶予、同盟の反発鎮圧後に中国と本ゲームの戦略

投稿者: | 2025年4月13日

トランプ米大統領が中国を除いたすべての国に対する相互関税施行を90日間猶予した決定をめぐり、「中国との長期戦に備えた戦略再整備に突入した」という見方が出ている。戦略の核心は韓国を含んだ同盟国の反発を先に「鎮圧」した後に猶予期間後に再開される中国との本ゲームに「支援軍」として出す方式になるだろうという見通しだ。

ホワイトハウスは10日、中国に対する関税率が大統領令に明示された125%ではなく2月に賦課したフェンタニル関連20%を加えた145%が正しいとして圧力レベルを高めた。トランプ大統領はその上で、「私は習近平主席を非常にリスペクトしており合意を望む」とした。90日以内に合意しなければ関税をさらに高めるという脅迫に近い。

 ◇中国も農業などで米国依存度低く

しかし第1次トランプ政権での米中貿易戦争で18カ月ぶりに合意に出た中国は、今回は対米報復関税を84%から125%に引き上げたのをはじめ、米国企業に対するボイコットなど非関税圧力カードまで取り出すとみられ抗戦する意思を曲げずにいる。

第1次トランプ政権でホワイトハウスの貿易室長を務めたマクラーティ・アソシエイツのケイト・カルトキエビッチ専務理事は、「この程度の関税率ならデカップリング(脱同調化)を意味する。それでも中国がまだ(交渉の)連絡をしない点に対してトランプ大統領は驚いているだろう。中国の農業などで米国に対する依存度が低くなり、米国もやはり貴重資源の対中依存度が低くなった」とした。続けて「最初の貿易戦争を経て結果的に両国の経済構造がいずれも長期戦に備える体制を整えることになった形」と分析した。

実際に第1次貿易戦争で「判定負け」した中国は内需を拡大し、国内総生産(GDP)で貿易が占める割合が19.7%に縮小し、2018年に19.2%に達していた米国への輸出割合も14.7%に減った。

カルトキエビッチ氏は「トランプ大統領もやはり退くことはできない。結局全世界の視線に神経を使わなければならないトランプ大統領と習主席のどちらも先に譲歩できない状況に置かれることになった」とした。

この渦中で9日に出てきたトランプ大統領の関税猶予発表に対し、ワシントン・ポストは「トランプ大統領が債券市場に屈服した」と評価した。トランプ大統領は関税戦争の中で同盟国の反発やインフレ負担と記録的な証券市場急落にもびくともしなかった。だが株式急落にともなう安全資産選好で買い注文が集まるべき米国債の投げ売りで金利がむしろ急騰すると中国を除いて関税施行を猶予した。

中国は米国債の割合を急激に減らしたが、依然として日本に続き世界で2番目に多くの米国債を保有している。債券市場では「理論的には中国が意図的に米国債を市場に一気に投げ売りする場合、米国経済を一瞬にしてぐらつかすことができる」という分析も出ている。

カルトキエビッチ氏は「トランプ大統領が関税施行を一時止めたのは国債市場の衝撃とともに米国だけでは製造業分野などで圧倒的に成長した中国に追いつくのが難しいということを認め、今回の戦いに同盟国などパートナーが必要だと判断したため。今後90日以内に韓国をはじめ日本、欧州と中国問題をともに議論することになるだろう」と予想する。その上で「猶予期間に中国との交渉を終えられない場合、本来の状態(関税戦争)に戻る準備をするだろう」とした。相互関税によって同盟国からも反発が出ている状況を先に収拾した後、90日後に本ゲームの戦線を既存の「米国対全世界」から「中国対全世界」に再編しようとする意図ということだ。

実際のこの日米上院軍事委員会の公聴会でインド太平洋を担当する米軍司令官は一斉に在韓米軍撤収または縮小論に否定的な立場を明らかにした。サミュエル・パパロ米インド太平洋軍司令官は「在韓米軍がなくなれば彼(金正恩)が侵攻する可能性が大きくなる」と強調した。これはトランプ政権核心の人々が在韓米軍の役割再調整をはじめとする縮小の可能性を強く主張してきたのとは温度差がある。トランプ大統領もやはりこの日の閣僚会議で造船業再建の意思を明らかにしながら「(米国と)近くて造船実績が立派な他の国から船舶を購入することもできる」と話した。米国が現実的に船舶を購入できる国は韓日になるほかない。

◇「同盟国への態度は強硬」

カルトキエビッチ氏はしかし「トランプ大統領の戦略が同盟との協力に転換されたのか」という質問には断固として「違う。トランプ大統領の目標は中国との競争で勝利することだ。同盟国に対する態度はずっと強硬だろう」と話した。

ロビイ業者関係者は「トランプ大統領はすでに『ワンストップショッピング』という言葉で経済・安全保障の包括交渉を示唆した。在韓米軍が必要という主張はむしろ防衛費分担金を強制する根拠に活用されるだろう。また、同盟国に対する一部関税率引き下げ交渉の結果を相殺するための成果として防衛費分担金を掲げることになるだろう」と説明した。

韓国の主力輸出品である鉄鋼、自動車、半導体に対する品目別関税もやはり経済ではなく安全保障と関連した通商拡大法232条を根拠に課されているため例外が適用される可能性はとても低いだろうという見方が出ている。

2025/04/13 10:30
https://japanese.joins.com/JArticle/332462

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)