李在明シエシエ発言に米識者「台湾と韓国の脅威を決して分けて考えるべきではない」  ワシントンで専門家8人にインタビュー

投稿者: | 2025年5月17日

 「李在明(イ・ジェミョン)候補は数年前まで韓国のバーニー・サンダース(上院議員)と呼ばれていましたが、今はドナルド・トランプに匹敵する人物とみられるようになりました。幾つかの公約には信頼性に関する問題があるため、彼が実際にいかなる政策を展開するかは見守らねばなりません」

 ワシントンのあるシンクタンク主催で開催されたイベントでパネリストの一人がこのように述べた。一般の米国人からすればトランプ大統領と進歩系(リベラル)のサンダース議員は全く相容れない。来月3日の韓国大統領選挙が近づく中、米国でもインド太平洋地域におけるトップ・ティア(最上位)同盟国である韓国の指導者が誰になるかに関心が高まっている。とりわけ複数の世論調査でトップを走る李在明候補への関心が特に高い。これは李在明候補のこれまでの政治経歴がほぼ地方自治体でのもので、ワシントンに慣れた人物ではないことも影響している。李在明候補がワシントンを訪れたのは城南市長だった2016年が最後だった。

 韓半島問題を長い間研究してきたワシントンのいわゆる「コリア・ウオッチャー」たちは李在明候補の外交・安全保障政策における不確実性をたびたび指摘する。昨年12月に尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領に対して国会が最初に弾劾訴追の手続きを行った際、その弾劾理由に「北朝鮮・中国・ロシアを敵対視する外交と日本中心の奇異な外交」という文言があった。また翌年1月のワシントン・ポスト紙とのインタビューで李在明候補は「日本の国防力強化は脅威にはならない」と全く違った発言を行った。さらに今月13日に大邱で行った遊説で李在明候補が「中国にもシエシエ(謝謝=ありがとう)、台湾にもシエシエ、他国とも仲良く過ごせばよい。台湾と中国がけんかしようがどうしようが、われわれと何の関係があるのか」「(私は)間違ったことを言ったか」と述べた事実も伝えられ、これらが今大きな話題になっているのだ。

 14日に本紙がインタビューを行った外交・安全保障の専門家8人は「韓国の大物政治家であり、大統領候補でもある人物が中国と台湾の対立について『韓国と無関係』と述べたことには驚いた」「中国が台湾で力による現状変更に乗り出した場合、韓国の経済と安全保障に災害的な結果をもたらす恐れがある。韓国と台湾の安全保障の脅威は決して分けて考えることはできない」と指摘した。韓半島問題が専門のブルッキングス研究所のアンドルー・ヨー上級研究員は「貿易や製造業への影響を考えた場合、台湾海峡の安定と貿易の自由な流れは韓国にとって非常に重要だ」「『われわれと何の関係があるのか』という発言は韓国がこの地域での有事に無関心という印象を与える」などとした上で「台湾海峡の平和と安定は(李在明)候補者の発言のように当然保障されるわけではない。次の韓国政府に対しては、米国やインド太平洋地域のパートナーたちと一層緊密に協力し、地域の安定確保に向け努力することを希望する」と述べた。

2025/05/17 10:40
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