釜山(プサン)で高校生3人が集団で亡くなったことに関連し、同年代などに及ぼす影響が大きいとの懸念の声があがっている。専門家は3人が死亡に達した原因を追求するよりも、「残った人々」のケアに集中しなければならないと提言した。
21日、高校2年の女子生徒3人が釜山のあるマンションで遺体で見つかった。「学業ストレス、進路の負担が大きい」という内容が書かれた遺書もそれぞれ確認された。釜山市教育庁が真相把握に出るなど地域社会への衝撃も大きい。
このような同伴死亡は専門家も珍しい事例だと評価する。ただし、10~20代が他の人と一緒に死のうとする危険性は成人と比較すると高いほうだ。オンライン上や周辺の友人に悩みを打ち明け、彼らが「集団的同質性」を感じて極端な決定に走る場合が多いためだ。
◇増える10代の自殺率…「自殺美化など問題」
青少年の全般的な精神健康も揺らいでいる。10代の自殺率は2011年10万人あたり5.5人から2023年7.9人に上昇した。同期間に他の年齢帯の自殺率が減少したのとは対照的だ。ソーシャルメディア(SNS)や新型コロナウイルス感染症の流行、家族解体や学業・進路圧迫などが影響を及ぼした。
翰林(ハンリム)大学聖心(ソンシム)病院メンタルヘルス医学科のホン・ヒョンジュ教授は「自殺が極端な回避でなく問題を解決する方法のように美化されたり、一種の選択肢のように見なされたりする社会的認識も問題」と明らかにした。
このため今回の釜山高校生集団死亡も周辺の青少年に同じような危険が広がることを食い止めなくてはならないという声が聞かれる。生徒3人がなぜ亡くなったのかを確認するのと同じくらい、3人の友人・家族など残された自殺高危険群の心が不安定にならないように事後管理をすることが重要だということだ。
韓国自殺予防協会(会長・イ・ドンウ上渓白病院教授)は23日、緊急声明書を出して「今、私たちが感じている心理的衝撃よりも、故人を失った遺族と一緒にいた友人たち、そして先生が体験する悲しみと衝撃ははるかに大きい」としながら「学校構成員の心理的安定を図り、再発防止のための対策づくりが必須」と明らかにした。
◇「周辺の人々、非難は避けるべき」…政策変化の要求↑
ホン・ヒョンジュ教授も「若い年齢帯の自殺問題では伝染性のような特徴が目立つ。生徒1人が亡くなると、該当地域で同じような未遂が多く現れることがある」としながら「亡くなった生徒の家族・友人・学校などを非難することは避けなければならない」と話した。
根本的には青少年が間違った決定をしないように助ける自殺予防教育の強化、予算投資拡大などの政策変化が必須だ。全国小中高のうち危機学生相談支援などのための「Weeクラス」が運営されているのは8863カ所(2023年)。これでも増えたほうだが、今も学校4カ所中1カ所でこのような施設がない。保健福祉部の今年自殺予防・生命尊重関連の予算は562億ウォン(約60億円)で、日本の関連予算8300億ウォン(2021年)に比べて少ない水準だ。
自殺予防協会は「青少年自ら自身の心理的困難を認識し、必要な時に適切な助けを要請することができるようにしなければならない。教師・両親など近い人々が積極的に介入できる制度的基盤づくりも急がれる」と明らかにした。サムスンソウル病院メンタルヘルス医学科のホン・ジンピョ教授は「生徒たちがストレスに耐えて乗り越える訓練などを学校でもっと行う必要がある。両親との疎通、正しいSNS使用法などに対する教育も行われるべきだ」と話した。
2025/06/24 15:38
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