務安空港事故機エンジンの欠陥、メーカーも認知していた【独自】

投稿者: | 2025年11月3日

 昨年12月、務安空港で179人が死亡したチェジュ航空旅客機(HL8088)の事故で、同機に搭載されていたエンジン(CFM56)を製作したCFMインターナショナル(CFMI)が、このエンジンに構造的欠陥があるという技術関連文書を作成していたことが29日、確認された。CFMIは米GEとフランスのサフランが合弁してできた会社だ。

 韓国国会国土交通委員会の委員で野党・国民の力所属の金恩慧(キム・ウンヘ)議員によると、CFMIは2023年4月、該当エンジンの高圧タービンのブレード(刃)に亀裂が入り、全体の損傷を引き起こすという技術指示書(Service Bulletin)を発行していたことが確認された。これはエンジンメーカーが航空会社や整備士などに配布する文書だ。少なくともこの時点からCFMIもエンジンそのものの欠陥の可能性について認知していたということになる。

 CFMIが当時、この文書を出したのは、2022年11月にチェジュ航空機(HL8303)が日本の関西国際空港を出発して済州島に向かう途中、エンジンの欠陥で引き返す事故がきっかけだった可能性が高い。同機では当時、高さ1500フィートに上昇した際に「ボン」という音と共にエンジンが故障した。

 チェジュ航空は翌年、ドイツのエンジンメーカーMTUにCFM56エンジンの修理を任せたが、MTUがこのエンジンに構造的欠陥があると見て、チェジュ航空に関連内容を通知した。MTUは当時、「エンジン製造中に特殊工程および鍛造過程で発生したブレードの欠陥が主な原因となってエンジン内部が損傷した」とチェジュ航空側に伝えた。工程段階で品質が確保されてない製造上の欠陥だったということだ。ある航空業界関係者は「CFMIの立場としては製造上の欠陥という判定が出たので、関連内容を顧客に知らせる必要があっただろう」と話す。だが、CFMIは欠陥内容を記載しながらも、ブレードを交換周期通りに交換すれば、故障を防げると判断したという。

 チェジュ航空は関西国際空港での事故後、該当のエンジンを廃棄した。しかし、このエンジンと同じ種類のエンジンを搭載した航空機は運航を続けた。務安空港事故機にも、これと同じ種類のエンジンが搭載されていた。チェジュ航空側は「このエンジンは全世界の航空機に最も多く搭載されているエンジンの一つだ。エンジンに装着された高圧タービンのブレードはメーカーの勧告に合わせた基準を適用し運用している」と述べた。

2025/11/03 11:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/11/01/2025110180020.html

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