古里原子力発電所1号機、韓国初の廃炉作業開始

投稿者: | 2025年6月27日

 韓国初の商業用原子力発電施設「古里1号機」の廃炉が本格的に始まる。

 韓国原子力安全委員会は26日に全体会議を招集し、釜山市機張郡長安邑の古里原子力発電所1号機の廃炉を正式に承認した。1972年に建設許可が出されてから53年、2017年の永久停止からすでに8年が過ぎた。原子力安全委員会は同日「37年までに1兆713億ウォン(約1141億円)を投じる韓国水力原子力の古里1号機完全廃炉計画を最終承認することで議決した」と発表した。これにより韓国初の商業用原子力発電所の廃炉作業が始まることになった。

 古里1号機は1977年6月19日に稼働を開始した韓国初の原発で、翌78年4月29日には商業運転が始まった。水を使って冷却する加圧水型軽水炉方式で制御され、最大587メガワットの電力を生産できるように設計された。

 古里1号機は商業運転開始から30年が過ぎた2008年に設計上の寿命を10年延長した。しかし圧縮空気バルブの不良などさまざまなトラブルが相次いだため、朴槿恵(パク・クンヘ)政権当時の15年に永久停止が決まり、17年6月18日に実際に稼働が終了した。当時の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は古里1号機の永久停止宣布式で「脱原発時代に向かう」「原発の設計寿命を延長することはない」と宣言した。韓国水力原子力は21年から廃炉の承認を受けるための手続きを進めていた。

 今回古里1号機廃炉承認案件の議決には原子力安全委員会の9人の委員全員が参加した。午後3時40分から2時間にわたり行われた協議で委員らは「使用済み核燃料の管理」「放射性廃棄物の管理」「敷地の再利用基準」などについて質疑を行った。原子力安全委員会の崔元湖(チェ・ウォンホ)委員長は「韓国水力原子力が提出した廃炉計画書は適切にまとめられ、安全に進められることが韓国原子力安全技術院(KINS)の審査で確認されたと判断している」として同案件を議決した。

 業界では今回の古里1号機廃炉を受け韓国も世界の廃炉市場に進出できると期待する声も相次いでいる。世界の廃炉市場規模は500兆ウォン(約53兆円)と推定されている。原子力安全委員会によると、これまで廃炉を行った経験がある国は米国、ドイツ、日本、スイスの4カ国のみで、商業用原発の廃炉を行った国は米国だけだという。

宋恵真(ソン・ヘジン)記者、パク・チミン記者

2025/06/27 09:20
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/06/27/2025062780028.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)