「在日米軍は今後数年かけて指揮権限を徐々に拡大」 実現すれば在韓米軍の見直し不可避

投稿者: | 2025年6月30日

 スティーブン ・F・ ジョスト在日米軍司令官(空軍中将)は6月28日、日本に駐留する約5万5000人の在日米軍の任務について「同盟の管理から人道支援、災害救助、武力衝突に至るさまざまなスペクトラムを合わせた作戦の統合・同期化に向け見直されるだろう」と述べた。その上でジョスト司令官は「(在日米軍司令部は)今後数年かけて指揮権限を徐々に拡大していく」と明言した。米国のトランプ政権は早ければ8月に予定されている新たな国家防衛戦略(NDS)発表を前に、インド太平洋地域に配備された米軍の体制全般を現在確認しているが、中国けん制に向け在日米軍の役割がさらに強化された場合、以前から削減や移転がささやかれる在韓米軍の運用方式にもかなりの変化が予想されている。

 ジョスト司令官は同日朝日新聞に寄稿した文書の中で「インド太平洋地域の安全保障、自由、繁栄はとりわけ中国のような敵対的国家により徐々に大きな挑戦に直面しており、私は(中国の)脅威がさらに深刻化している事実を直接確認できた」とした上で上記の考えを示した。これに先立ちトランプ政権は今年3月、NDSの予告編とも言える「暫定国家防衛戦略」の中で「中国けん制」を安全保障上の第1の課題とし、また日本は、米国が進める「中国けん制に向けた同盟国の役割拡大」に応えるため、韓半島、大韓海峡、南シナ海を一つの戦域(戦時作戦区域)とするいわゆる「ワンシアター(一つの戦域)」構想の概念を米国に提示し協議を進めている。

 在日米軍司令官が言及したように、在日米軍の重要性が拡大し、米軍が東アジア地域を一つの戦区として統合し運用するようになれば、この地域における米軍の構造が大きく見直される可能性が考えられる。トランプ政権内部からは「在韓米軍の戦時作戦統制権移譲と同時に在韓米軍司令官は中将(三つ星)が担当」「現在中将が担当している在日米軍司令官は大将(四つ星)が担当し国連軍司令官を兼任」との案が出ているという。在日米軍の規模は在韓米軍の約2倍だ。また国連軍司令部(UNC)の移転や韓米戦時作戦統制権の韓国への移管に向けた議論も同時に行われるとみられる。

 米日両国は昨年7月、中国の軍事的脅威に対抗するため指揮・統制体制の協力強化で合意し、米軍は自衛隊拡張に歩調を合わせ在日米軍司令部を合同軍事司令部に格上げすることを決めた。在日米軍は自衛隊とすでに指揮系統では協力しているが、これは韓国軍と米軍のように統合された指揮体系ではない。しかし米軍内部では中国の膨張政策をけん制するため在日米軍の役割強化を主張する声が高まっている。日本の自衛隊では今年3月に陸上、海上、航空の各自衛隊による「自衛隊統合作戦司令部協力チーム(JCT)」が発足した。今はまだ小さい組織だが、今後JCTは米日両国の軍事協力強化において仲介役を含む重要な役割を果たす見通しだ。在日米軍の作戦指揮権は現在ハワイのインド太平洋司令部(USINDOPACOM)にあるが、これを一部移転し司令官を大将(四つ星)に格上げするとの見方も浮上している。

2025/06/30 09:16
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