北朝鮮版複合リゾートの江原道元山葛麻(ウォンサン・カルマ)海岸観光地区が1日に開業したと、朝鮮中央通信が2日報じた。
朝鮮中央通信は「東海(トンヘ、日本名・日本海)の国宝級観光名所、元山葛麻海岸観光地区の十里白砂浜に笑いとロマンの壮観が形成された」とし「全国各地の多くの勤労者が世の中にない恍惚の観光名所への旅行を熱望する中、運営初日から多くの人々が訪れた」と伝えた。
元山と地理的に近い江原道(カンウォンド)と咸鏡南道(ハムギョンナムド)をはじめ、首都の平壌(ピョンヤン)、咸鏡北道(ハムギョンブクド)、両江道(ヤンガンド)、慈江道(ジャャガンド)などからも観光客が訪問した。
朝鮮中央通信は「多様な最新式遊具を競争的に利用しながら緊張感のある快感を味わい、嘆声が絶えなかった」とし「客は商業および食堂で親切な奉仕(サービス)を受け、憩いの時間を過ごした」と伝えた。
◆玉流館、百貨店も入った元山葛麻地区
北朝鮮外国文出版社がこの日に公開した「元山葛麻海岸観光地区案内」の地図によると、観光地区は明沙十里(ミョンサシムニ)休養区域1と2に分かれ、各種宿泊施設と体育・レジャー施設のほか、映画館など文化空間が造成された。各区域に20件ずつ計40件の宿泊施設がある。
便宜施設として平壌冷麺で有名な北朝鮮の代表的な食堂「玉流館(オクリュクァン)」も葛麻別館に入店した。プルコギを販売する食堂はもちろん、韓国でいう「カフェ」に相当する清涼飲料店、北朝鮮の特産品といえる高麗人参喫茶店、ビール店も入った。
葛麻商品展示館など記念品店と食料品・化粧品店のほか、薬局、総合診療所などの便宜施設もある。葛麻映画館と公演が行われる明沙十里劇場、百貨店など大型商業・娯楽施設も並んでいる。海岸には海洋レジャーに必要な装備を借りることができる「海洋体育機材賃貸所」がある。「落下傘技術普及所」がある点からみてパラセーリングのようなエクストリームスポーツも楽しめるようだ。バドミントン、テニス、ミニゴルフ場など体育施設も確認できる。
葛麻海岸観光地区を複合休養団地にするために力を注いだことが分かる。こうした大規模な観光施設は北朝鮮で前例がないという評価も出ている。
◆1日開業…ロシア観光客が7日に初めて訪問予定
これに先立ち北朝鮮は先月24日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が出席して竣工式を開き、1日からの国内向け試験運営を予告していた。今月中に外国人観光客にも開放する予定だ。
ロシア国営タス通信は先月26日(現地時間)、ロシア観光客が7日に元山葛麻海岸観光地区を初めて訪問すると報じた。タス通信は元山葛麻海岸観光地区について「名勝地を訪問する国内外の来賓が好みに合わせて選択できる約2万人の宿泊能力のホテルと旅館がある観光地区」と説明し、外国観光客誘致を念頭に置いた施設であることを示唆した。
ただ、ロシア観光客を多数誘致するには限界があるとみられる。現在のロシア・ウラジオストクと平壌の航空便運航を勘案すると、一日最大170人水準の外国人観光客の流入が可能と推定される。
2025/07/02 14:03
https://japanese.joins.com/JArticle/335770