「韓国では東アジア・カップ(E-1サッカー選手権)の注目度がこんなにも低いんですか?」。今月7日、京畿道の竜仁ミルスタジアムで出会った日本のスポーツメディアの記者にこう尋ねられた。この日開幕した E-1サッカー選手権を取材するために来韓したこの記者は「日本でもワールドカップ(W杯)などの大きなイベントに比べれば関心が低いのは事実ですが、韓国は開催国だからちょっとは違うと思っていました」と話した。
開幕戦の韓国対中国が行われたミルスタジアムは、観客席のほとんどががらんと空いていた。公式の観客数は4426人。収容可能人数の10%をやっと超えた程度だった。理由は簡単だ。大会の認知度が低すぎるからだ。サッカーファンでもない限り、プロのリーグ戦が盛り上がっているこの時期に国際大会が開催されていることを知る人はほとんどいない。2002年W杯の優勝国は知っていても、2019年 E-1サッカー選手権の優勝国は知らないという人が多いだろう(当時の大会も韓国で開催され、韓国が優勝した)。
こんな具合なので、出場する選手や代表チームのコーチ陣にとっても、この大会は「悩みの種」と考えられている。いい成績を挙げたときの褒賞や注目度に比べ、残念な成績だったときに浴びる非難の方がはるかに心配なのだ。万が一けがをすれば所属チームに帰ったときに合わせる顔がないというのも、選手にとっては大きなリスクだ。
だからといって、得るものがない大会というわけでは決してない。国際サッカー連盟(FIFA)が公認する国際Aマッチウィーク期間外で、欧州などの海外組を起用することは難しいため、Kリーグ中心に選手を招集する。これまで海外組の「名声」の陰に隠れ、太極マーク(韓国国旗)を背負ってプレーすることができなかった国内組の選手たちにとっては、国際舞台で自身の実力を試し、改善点を見出すことができる貴重な機会だ。国際Aマッチでの活躍によって突然スターの仲間入りをする可能性もある。またコーチ陣にとっては、北中米W杯の1年前に開催される今大会は実戦で組織力を確認するいい機会になるし、潜在力のある「原石」を発掘するチャンスにもなる。
W杯のように、ファンが自主的にスタジアムを訪れるのを待っていてはならない。大会の認知度を高めて観客を増やし、代表チームへの関心が高まれば、自然と選手団の士気が上がって実力も上向いてくるだろう。反対に、やっているのかいないのか分からないような低調な興行が続くのなら、E-1サッカー選手権はそのうち「鶏肋(鳥の肋骨)」のようなやっかいな存在に転落するかもしれない。
観客席がガラガラだからといって、それをファンのせいにすることはできない。どんなイベントも、中身と同様に「パッケージ」も重要だ。PR不足が原因の可能性もあるわけだ。同大会を主催する東アジア・サッカー連盟は現在、大韓サッカー協会の鄭夢奎(チョン・モンギュ)会長がトップを務めている。今からでもポップアップブースやユニホーム、入場券進呈イベントなどを開催し、ファンをスタジアムに呼び込む積極的なマーケティングをオンライン・オフラインで展開すべきだ。
「鶏肋」とは、食べるほどの肉はないが捨てるには惜しい存在を意味する言葉だ。しかし、肉付きを良くすれば鶏の肋骨も立派なごちそうになる可能性がある。猛暑の中、韓日戦も含む東アジア・ダービーで重圧を背負ってプレーする選手たちのためにも、観客席からもっと大きな拍手と歓声が起きてほしい。主催者側の意気込みに掛かっている。
金東炫(キム・ドンヒョン)記者
2025/07/12 09:20
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