「ニューライト」批判が高まっている出版社、韓国学力評価院の韓国史の教科書が、検定合格の取り消し処分を受けた。教科書検定に合格するために「表紙の取り換え」で虚偽の実績を作っていたことが確認されたためだ。教科書検定の合格が取り消されたのは今回が初。
教育部は14日、韓国学力評価院が発行した高等学校の教科書、韓国史1および2に対して、検定合格の取り消し処分を確定したと発表した。監査院による監査結果を受けての措置だ。監査院は今年4月、同社が問題の教科書の教科書検定の申請要件を満たすために出版実績を粉飾したと判断していた。
教科書の検定を申請するには、検定を申請する教科に関連する図書を最近3年間で1冊以上出版した実績を証明しなければならない。韓国学力評価院は実績証明のために、2007年に出版した問題集の表紙を取り換えただけの2023年の問題集で納本証明書の発給を受け、教育部に提出していた。再出版の過程で2007年版の問題集の著者たちの同意も得ていなかったことが、昨年9月のハンギョレの報道で明らかになってもいた。教育部は監査院による監査後、韓国学力評価院の韓国史教科書の処分を決めるため、教科用図書検定処分審議会による審議と同社の関係者に対する聴取を実施した。
今回の検定取り消し決定で、問題の教科書を使用中の高校は別の教科書に変更しなければならない。教育部はこの内容を市・道の教育庁に伝える方針だ。今年この教科書を採用している高校は、慶尚北道の文明高校が唯一。同校には、この教科書の著者が教師として在職している。
韓国学力評価院が出版した問題の韓国史教科書は、ニューライト系の歴史認識が反映されているという批判にもさらされている。李承晩(イ・スンマン)政権を「独裁」ではなく「長期政権」と表現していることや、必須の学習要素である日本軍「慰安婦」の記述を簡略化していることが問題として指摘されている。
2025/07/14 19:31
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