20日に実施される日本の参議院選を前に、与党・自民党政権が、外国人関連の専門担当組織を設置した。参議院選での過半数議席の維持が危ぶまれている与党が、保守層の票を意識した「差別助長行為」に加担するのではないかという懸念の声が上がっている。
石破茂政権は15日、内閣官房で外国人政策を担当する事務局組織「外国人との秩序ある共生社会推進室」の発足式を開催した。石破首相は発足式に参加し、「一部の外国人による犯罪や迷惑行為、各種制度の不適切な利用など、(日本)国民が不安や不公平を感じる状況も生じている」として、「ルールを守らない方々への厳格な対応や、外国人を巡る現下の情勢に十分に対応できていない制度・施策の見直しは、政府として取り組むべき重要な課題」だと述べたと、朝日新聞が報じた。石破首相は、外国人滞在問題や社会保険料の未納防止、土地取得管理などを課題に挙げ、この組織を通して省庁の枠を越えて取り組むよう指示した。この組織に「共生社会」という名称を付けはしたが、外国人が引き起こす問題に対する対策に重点を置いた発言とみられる。
石破政権が、極右的な政党である参政党が「日本人ファースト」をスローガンに掲げて支持率を上げていることに危機感を感じ、「拝外主義」の動きを追っているという見方が出ている。自民・公明連立政権が、20日の参議院選での公式目標として掲げた過半数議席の維持さえも容易ではないと、日本メディアはみている。任期6年の日本の参議院の総議席数は248議席で、3年ごとに半数を新たに選出する。今年は空席1議席を含む125議席を選出する。連立与党は、今回新たに選出する125議席のうち50議席を確保することで、総議席数の過半数維持が可能になる。しかし、日本メディアの世論調査によると、選挙運動が終盤に近づくにつれ、与党の予想議席数は減少している。一方、現時点では1議席に過ぎない参政党は、10席以上を得る可能性があると、日本経済新聞などが報じた。この極右政党は、現時点では少数政党だが、支持者の相当数が自民党支持層から離脱した人たちだとみる分析が多い。
林芳正官房長官は15日の定例会見で、推進室の発足は選挙対策ではないのかという質問に、先月の関係閣僚会議の際に首相の関連の指示があったとして、「選挙対策ではない」と主張した。
しかし、参議院選を控え、外国人対策は、日本の政党の大多数が掲げたことから、主な争点として浮上しており、日本政界が拝外主義を刺激しているとする懸念が絶えない。旧民主党から分離した保守系野党で、今回の選挙では、現在9議席の議席数を約3倍に増やす可能性があると予想されている国民民主党は、外国人の社会保険加入の実態と運営の合理化を主張している。大阪の地域政党を基盤とする右派系野党の日本維新の会は、日本国内の外国人比率の上昇抑制などを公約に掲げた。
一方、最大野党の立憲民主党は、多文化共生社会基本法の制定、日本共産党、れいわ新選組は、出入国管理施設による人権侵害の防止、社会民主党は差別禁止法の制定などを主張している。しかし、比較的進歩的な政策を主張するこれらの政党は、今回の選挙では、議席数を大幅には増やせなかったり、逆に減少したりすると、日本メディアは予想している。
2025/07/16 19:26
https://japan.hani.co.kr/arti/international/53750.html