人口が多いからなのか、教育のせいなのか「中国人の醜態」は世界各地で起こっている。1年間に700万人もの中国人観光客が訪れる日本では、「レジェンド級」の醜態がたびたび報道されている。すしをたくさん取ってきて、魚だけ食べてご飯を山のように残すバイキングでの醜態、「せんべいをくれ」と近づいてくるシカを足で蹴る公園での醜態、あれこれ持ち帰るのにとどまらず便器のふたまで持っていくホテルでの醜態などだ。大声や怒鳴り声、ゴミのポイ捨ては日常茶飯事だと報道されている。
つい数カ月前も「レジェンド級」が新たに一つ加わった。舞台は高さ3775メートルの富士山だ。富士山の山頂部は春の終わりまで降雪・突風があるため、開山期間は7月から8月くらいまでだ。ところが、登山の装備もしていない中国人が4月に登って遭難し、ヘリコプターで救助された。それでも、ここまでは大したことではなかった。ところが、この中国人は「携帯電話を置き忘れた」と言って四日後に再び富士山に登り、またヘリコプターで救助されたのだ。すると、日本人怒りは爆発した。ヘリコプターの燃料代だけで1時間当たり400万ウォン(約42万円)だ。これは全額、税金から支払われた。
この醜態は日本の政治にまで影響を及ぼしているようだ。それまでは中国人の醜態に対して腹を立てながらもやり過ごしてきたが、税金の話となると事情が変わった。「非常識な外国人には費用を請求しなければならない」「外国人は入山禁止にすべきだ」「外国人の入国自体を規制しなければならない」「日本は外国人に甘すぎる」などの批判が高まった。この感情を政治的に利用した政党が、今月20日の参議院選挙で大躍進した「極右」政党とされる参政党だ。
今回の選挙で最も成功したスローガンは、参政党の「日本人ファースト」だ。トランプ米大統領の「アメリカ・ファースト」をまねたものだが、この新生政党の参議院における議席数を2議席から15議席に増やした。グローバル・スタンダードや外国人の受け入れをすべてやめて、政策の優先順位を日本人に合わせようということだ。さらに、「天皇を中心に一つにまとまる平和な国をつくること」が参政党の掲げる綱領の一つだ。この政党が発表した新日本憲法構想案の第1条は「日本は、天皇のしらす君民(天皇が治める、天皇と国民)一体の国家である」で始まる。まるで太平洋戦争時のようだ。
嫌中感情は表面的な理由だろう。中国人の醜態は30年前から日本で問題になっていたが、政治の勢力図まで変えることはできなかった。高齢化と人口減少、長期低迷と格差拡大、自らの役割を果たせない政治など、衰退する国力が極右に突き進む根本的な理由だという見方が多い。数年前までは今の「嫌中」の位置に「嫌韓」があった。理由や背景は違うが、嫌韓でも嫌中でも日本式の「排他主義」という根本は同じだ。どちらにしても、隣国の国民にとって喜ばしい現象ではない。
鮮于鉦(ソンウ・ジョン)記者
2025/07/26 11:00
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