「国交正常化60周年行事への出席に感謝」…李大統領、石破首相に直接書簡を送付

投稿者: | 2025年7月29日

韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が、石破茂首相に対し、最近韓国政府主催の「韓日国交正常化60周年記念レセプション」に直々に出席したことに対して感謝の趣旨を込めた手紙を送っていたことが分かった。このように単一の案件について大統領が他国の首脳に直接書簡を送るのはやや異例であり、李氏が未来志向的な韓日関係への意志を再確認したものと解釈されている。

28日、複数の外交筋によると、石破氏が6月19日、東京で在日本韓国大使館の主催により開かれた「韓日国交正常化60周年記念レセプション」に出席したことに対し、李氏はその月の末ごろに直接手紙を送って謝意を伝えた。

 韓日両国は今年、国交正常化60周年を迎え、ソウルでは在韓国日本大使館が(6月16日)、東京では在日本韓国大使館が(6月19日)、相次いで記念レセプションを開催した。李氏はカナダで開催された主要7カ国(G7)首脳会議の訪問日程(6月16~18日)と重なったため、日本大使館主催のレセプションには直接出席できず、ビデオメッセージによる祝辞で代えた。

これに対して日本政府内では、石破氏も外交的な相互主義に基づき、ビデオメッセージによる祝辞にとどめるのが適切だという意見が多かったという。しかし、石破氏本人の判断で、G7首脳会議出席から帰国した翌日に、韓国大使館主催のレセプションにサプライズ登場した。カナダで李氏と初の韓日首脳会談を行った直後のことだった。石破氏は祝辞で、「日韓を取り巻く戦略環境が厳しさを増す中であるからこそ、手と手を携え、より良い未来に向かって、共に新たな一歩を踏み出そう」と述べた。

当時のレセプションには、岸田文雄前首相、菅義偉元首相、鳩山由紀夫元首相など、元・現職の首相4人が出席した。また、額賀福志郎衆議院議長をはじめ、林芳正官房長官、岩屋毅外相、中谷元防衛相など、現職の閣僚6人が顔を揃えた。

これは、ソウルで開かれた日本大使館主催のレセプションに韓国政府の高官としては外交部の金珍我(キム・ジナ)第2次官のみが出席したこととは対照的だった。レセプション直後、外交関係者の間では「日本が異例の礼遇を示した」とし、韓国側の対応が不十分に映るのではないかという懸念の声も出た。ただし、ソウルでも日本側のレセプションには1000人余りが出席した。

韓日当局間の外交チャンネルを通じた通常の謝意表明を超え、李氏が直接手紙まで送ったのは、このような日本側の誠意に応えるため、特に配慮した結果とみられる。李氏は今月3日の就任30日記念記者会見でも、「2つのこと(協力と歴史・領土問題)は混同する必要はない」と述べ、韓日間の未来志向的協力を歴史問題が妨げないように管理する意向を明らかにしていた。

ただし、李氏と友好的な関係を築いてきた石破氏は、今月20日の参議院選挙で敗北し、退陣の圧力に直面している。耐えてはいるものの、次期自民党総裁として有力視されている右派色の強い高市早苗前経済安全保障担当相が後任となれば、韓日関係に影響が及ぶ可能性もある。

韓日首脳間に流れる薫風の雰囲気を足がかりにシャトル外交の本格化に向けた雰囲気は整っているものの、まだスピードが出ていない点は物足りない部分だ。日本は今年、韓日中首脳会議の議長国として年内の会議開催を推進しており、10月には韓国慶州(キョンジュ)でアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議が開かれる予定だ。こうした多国間行事を機に、韓日首脳が自然に相互訪問する機会が生まれる可能性もある。

こうした中、同日外交部によると、趙顯(チョ・ヒョン)外交部長官は29日、就任後初めて日本を訪問し、岩屋氏と会談する予定だ。趙氏は両国の協力とシャトル外交の推進方策などを協議し、最近妥結された米日通商交渉の経験などについても議論する可能性がある。趙氏は日本訪問後、米国に向かい、31日(現地時間)にマルコ・ルビオ米国務長官と初めて会う予定だ。

通常、外交部長官は就任後、米国のカウンターパートと先に接触してきた慣例に反し、趙氏は初の電話会談の相手も初の出張先も日本となった。趙氏は6月24日、指名直後の記者団との懇談で「就任すればまず米国に行くという固定観念から脱すべきだ」と述べていた。今月17日の人事聴聞会でも「日本訪問後に米国に行く場合もあり得る」と発言していた。

ただし、これは趙氏が今月21日に就任して以降、ルビオ氏との初の電話会談の日程を調整するのが難しかったことが影響しているものとみられる。これに関連し、趙氏はこの日、中国の王毅外交部長と電話会談を行い、「APEC首脳会議を通じて韓中関係発展の新たな転機が開かれるよう、韓中両国がハイレベル交流の肯定的な流れを続けよう」という点で共感を形成した。米国務長官との会談よりも先に中国外交部長との通話が行われたことになる。

2025/07/29 07:03
https://japanese.joins.com/JArticle/336836

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