韓国、農産物市場の防御には成功したが、FTAプレミアム喪失

投稿者: | 2025年8月2日

「関税戦争を避けて米国の強い農産物市場開放圧力を防ぐのには成功したが、韓米間の自由貿易協定(FTA)価値が無効になった点は極めて遺憾だ」。

先月30日(現地時間)に発表された韓米通商交渉の結果に対する米現地通商・安保専門家の総評を要約するとこうなる。中央日報は韓国に対する米国の相互関税を25%から15%に下げる代わりに計4500億ドル(約66兆円)の対米投資・購買を約束する内容の今回の合意案が合格点を受けるものなのか、また、今後の追加交渉過程で考えられるリスクは何かなどを把握するため、現地専門家らに書面インタビューを行った。

 専門家らがまず高く評価したのは「貿易戦争を避けた」という点だ。アジアソサエティー政策研究所(ASPI)のウェンディ・カトラー副所長は31日、書面インタビューで「15%の相互関税率、韓国の主力分野の自動車でも15%関税を確保したのは意味がある」と評価した。

カトラー副所長は「米国がより強く要求してきた30カ月齢以上の牛肉およびコメ市場開放要求にうまく対抗した」とし「韓国に非常に敏感な分野だが、効果的に防御した」と伝えた。

米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ韓国部長とアンディ・リム副局長はこの日に公開したリポートで「関税戦争を避ける協定はいかなるものでも原則的にプラス」とし、相互関税率と自動車関税を15%に引き下げた点も評価した。日本・EUの合意事例を勘案すると15%を超える相互関税は韓国には失敗と見なされ、25%の自動車関税が韓国の自動車輸出に及ぼすマイナスの影響を考慮すると15%に下げることが最優先課題だったという点でだ。

韓国が米国とのFTA締結国という地位に適切な待遇を受けられなかった点は惜しまれると、専門家らは口をそろえた。ピーターソン国際経済研究所のマーカス・ノーランド副所長は「韓米間にいわゆる『合意』という名で発表された交渉の結果、両国のFTAが破棄されたのは極めて残念だ」と指摘した。続いて「トランプ大統領の保護貿易主義は、1930年代以降に米国が強調してきた規則基盤グローバル貿易システムから完全に離脱した」と規定した後、「今後いかなるパートナー国家も米国との協定で信頼を抱かないだろう」と批判した。

解決するべき課題が残っているという点でも専門家らの評価は一致した。チャ部長とリム副局長は韓国が1000億ドル相当の液化天然ガス(LNG)など米国産エネルギーを購入することにした約束について「LNG購買が新規注文なのか、中東の従来の注文物量を米国に回すものかが明確でない」とし「アラスカLNG開発プロジェクトに韓国が協力するかどうかも明確でない」と指摘した。

2025/08/02 13:51
https://japanese.joins.com/JArticle/337075

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