横領した寄付金を返済しない尹美香元議員の特別恩赦に慰安婦支援団体反発

投稿者: | 2025年8月12日

 尹美香(ユン・ミヒャン)元議員を相手取り「日本軍慰安婦被害者後援金返還訴訟」を行っている支援者らは11日「尹美香元議員に対する政府の特別恩赦に反対する」との声明を出した。尹美香元議員は韓国挺身隊問題対策協議会への寄付金を横領した容疑などで起訴され、昨年11月に大法院(最高裁判所に相当)で懲役1年6カ月執行猶予3年が確定したが、同日発表された李在明(イ・ジェミョン)政権最初の特別恩赦により復権した。

 慰安婦に寄付金を出した支援者らの代理人を務める金基允(キム・ギユン)弁護士は同日声明を出し「尹美香元議員は慰安婦被害者関連の寄付金などを私的に横領した容疑により大法院で有罪が確定したが、その後も寄付金の返済には応じず原状回復を拒否している」「尹美香元議員への恩赦は慰安婦支援者らの気持ちを徹底して踏みにじるものであり、支援者を愚弄(ぐろう)する行為だ」と主張した。

 金基允弁護士は2020年9月に一部支援者らの代理人として尹美香元議員や韓国挺身隊問題対策協議会などを相手取り寄付金の返済を求める訴えを起こした。同年業務上横領や詐欺など8つの容疑で起訴された尹美香元議員は裁判が4年2カ月も続いたため国会議員の4年任期を終えた。その間に寄付金の返済を求める訴訟は事実上ストップしていた。

 その後尹美香元議員の有罪が確定した後の今年1月、訴訟を担当するソウル西部地裁の裁判部は原告が返済を求めている寄付金の全額返済を命じる和解勧告を行った。裁判長は当事者の利益と大法院の有罪判決などに基づき、職権で合意させた。この事件の原告2人が尹美香元議員らに請求した寄付金の総額は120万ウォン(約13万円)だ。

 これに対して尹美香元議員側は「寄付金は返済できない」として裁判所に異議申請を行ったため、原告は6年にわたり返済を求める訴訟を続けている。尹美香元議員側は今年4月の裁判で「受け取った寄付金は全額を目的に沿って使った」と主張したという。大法院判決を事実上否定した形だ。

パン・ククリョル記者

2025/08/12 10:20
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