K-POPと韓国文化を基盤としたネットフリックスアニメーション映画『K-POPガールズ!デーモン・ハンターズ』が公開7週で1億5880万ビューを達成し、ネットフリックス歴代最多視聴アニメーションとなった。映画挿入曲「ゴールデン(Golden)」も米ビルボードメインシングルチャート「ホット100」で1位になった11日、記者と会ったVANKのパク・ギテ団長(51)は「最近『K-POPガールズ!』などKカルチャーブームで韓国に対する世界の人々の関心がいつよりも大きい」としながらも「2億人を超える全世界の韓流ファンがインターネットで接する韓国関連情報のうち相当数は依然として歪曲されたまま広まっているのが現実」と声を高めた。
「VANK」は海外の教科書・地図や主要サイトなどに誤って記載された韓国関連情報を是正する運動を続けてきた非政府団体(NGO)で、パク氏が1999年に自ら開設した大学生海外ペンパルサイトを基盤に開始し、今年で27年目を迎えた。草創期は東海(トンヘ、日本名・日本海)と独島(ドクト、日本名・竹島)の誤謬是正に集中していた。パク氏は「VANKの活動初期には海外で発行された世界地図のうち東海が表記されていたものは3%にすぎなかったが、現在は40%まで増えた」とし「設立当時、韓国は日本や中国に比べて『無名の国』だったが、韓流が大人気となり、正確に知らせるべき情報も歴史・文化などさらに多様化した」と話した。
–民間外交使節団としてオフラインだけでなくオンライン外交領域も開拓したが。
「インターネット時代が開かれ、韓国について知りたいという外国人の友人のメールが増え、大韓民国の国民として少なくとも役割をしてみようという軽い気持ちで始めた。ところがその過程で、彼らがオンライン上で接する韓国関連情報に誤りが多いことを知り、誰かが歪曲されていない正しい情報を提供する必要があると感じた。当時も今も私たちのようにデジタル外交活動をする民間団体は世界的にも極めて珍しい」
パク氏は「最近BTSやBLACKPINKが国威宣揚の側面で外交官ができなかったことをしているように、VANKも『韓国人一人一人がみんな外交官』をモットーに四半世紀以上にわたり着実に是正活動をしてきた」とし「問題は私たちがモニタリングなどを通して歪曲された情報を是正する速度に比べ、最近は人工知能(AI)の学習速度があまりにも速いという点」と診断した。
–AIの情報歪曲はどの程度か。
「最近いくつかの生成型AIプラットホームで私たちの主要文化遺産について質問したところ、景福宮(キョンボックン)は日本の大阪城などでたらめなイメージが表示され、独島は南太平洋の離れ島のような姿で出てきた。石窟庵(ソックラム)は洞窟の外に仏像が出ているほどだった。AIが韓国の歴史・文化はもちろんランドマークさえもまともに学習していないという代表的な証拠だ」
パク氏は「韓国政府の公式ウェブサイトの相当数はセキュリティー上の理由で海外では閲覧が制限される場合が多く、インターネットテキストを学習するAIが韓国より中国・日本の資料に先に大量に接して、韓国に関する歪曲された情報を全く取り除けずにいるのが実情」とし「特に生成型AIはもう世界の人々が毎日接しているだけに、歴史歪曲もはるかに速いペースで拡散するリスクが高まっている」と懸念した。状況の深刻性を認知したVANKも対策の準備に腐心し、その結果、15日の光復(解放)80周年を迎えてグローバルガバナンスプラットホーム「Weform」を正式に開始することになった。すでに運営してきた国際請願プラットホーム「ブリッジ・アジア(Bridge Asia)」と国民参加政策プラットホーム「ウルリム」「ヨルリム」などの運営経験から新しいデジタル情報歪曲是正および正しい情報拡散運動を始めたのだ。
パク氏は「一般市民も誰でも簡単に参加できる『開かれた外交空間』を提供しようと考えた」とし「グローバルイシューや主要歪曲イシューについて自由に意見を提示すれば、共同議論を通して政策提案に発展させ、国際機関や関連国政府の政策に実際に反映されるようにするのが最終目標」と説明した。
–光復(解放)80周年に合わせて始めた理由はあるのか。
「光復節(解放記念日)は独立活動家を称えるうえでも重要だが、その日の本来の意味を再確認することも重要だと考えた。高宗(コジョン)は1907年にオランダ・ハーグで開催された万国平和会議に特使を派遣して乙巳勒約の不法性を暴露し、主権の回復を列強に訴えようとした。しかし特使は会議場の中に入ることもできなかった。その後、光復を迎えて主権を取り戻したが、80年が経過した現在でも自国の利益を基盤とする歴史歪曲など国際社会の冷厳な現実は変わっていないのが実情だ。今はもう私たちもただ訴えるだけでなく、国際舞台で主導権を握って『Kガバナンス』を実現できる力量を十分に備えただけに、光復80周年を新たな契機にしようと考えた」
–Weformキャンペーンをしながら安重根(アン・ジュングン)義士の「東洋平和論」を特に強調したが。
「東洋平和論は安義士が1910年に獄中で執筆した遺稿だ。安義士は当時、帝国主義の列強に侵奪された東アジアの現実で『武力衝突』でなく『国家間協力』を通した平和構築という代案を提示した。東アジア内部の自律的連帯を通して西欧列強中心の国際秩序に対応しようという戦略的思想でもあった。未完成で一部の草案しか残っていないが、彼が投げかけたメッセージは今でも有効だ。VANKが『いま全世界が最も至急に解決するべき国際問題は何か』という質問を投げたのもそのためだ。もう私たちも世界の中の文化強国に急成長した。Kカルチャーの影響力をテコにソフトパワー強国に飛躍することこそ、21世紀のもう一つの『光復』になるのではないだろうか」
2025/08/16 11:01
https://japanese.joins.com/JArticle/337651