韓国系格安航空会社(LCC)が上半期に一斉に赤字を記録した。格安航空券を前面に出して過度な出血競争を行ったのが主要因に挙げられる。すでに飽和状態である市場に来月には1社が追加され9社のLCCが再び血で血を洗う競争をする予定だ。航空業界ではLCC産業の持続可能性に向け買収合併などを通じてLCCが規模の経済を確保しなければならないとの指摘が出る。
航空業界によると、ティーウェイ航空、チェジュ航空、ジンエアー、エアプサンの上場LCC4社は4-6月期にいずれも営業赤字を出した。業界1位のチェジュ航空は419億ウォン(約44億円)の営業損失を記録した。昨年12月に務安(ムアン)空港での事故後に運航便数が減ったのが売り上げに直撃弾となった。ティーウェイ航空は赤字幅が最も大きかった。新規航空機導入と長距離路線拡大にともなう費用増加で4-6月期の営業損失が790億ウォンに達した。ジンエアーは423億ウォン、エアプサンは111億ウォンの赤字を記録した。
ドミノ赤字には過当競争の影響が大きかった。旅客が集まる日本路線と東南アジア路線にLCCが集中し座席が過剰供給され運賃割引競争も激しくなった。座席当たり正常運賃では10万ウォン台の路線に5万ウォン以下の特価のような超格安航空券が相次いで登場して収益性が悪化した。ここに原油高とドル高の負担まで重なった。特にドル高は航空機をほとんどリースで運用するLCCに直撃弾となった。業界関係者は「4-6月期に日本路線を中心にした過度な割引運賃マーケティングで主要LCCの損失が大きかった」と話した。
出血競争はさらに激しくなる見通しだ。旧フライカンウォンが再スタートしたパラタ航空が下半期から本格営業を始めれば韓国のLCCは再び9社に増える。パラタ航空は最近A330-200型を導入し、年内に日本路線と東南アジア路線への投入を予告した。航空業界関係者は「すでに競争が激しい市場に事業者が追加されれば価格引き下げ圧力は避けられず、赤字幅もさらに大きくなるほかない」と話す。
構造的にはLCC免許がとても多い点が挙げられる。国土交通部は2019年にフライカンウォン、エアプレミア、エアロKに新規航空運送事業免許を出した。航空業界では「市場飽和状態でLCC免許の乱発は出血競争を激化させる」との懸念が提起されたが、これは現実になった。2019年に新規免許を受けた3社のうち現在も正常に運営しているのはエアプレミアだけだ。フライカンウォンは経営難で賃金未払いにまで陥った後に売却され、エアロKは資本割れ状態だ。
政府が免許を出す際に地域からの請願と地域空港活性化論理を意識し事業者を地域別に配分したために、市場需要と関係なくLCCの数だけ増えた。航空業界関係者は「地域バランスを考慮した政治的判断がむしろLCC市場の構造をゆがめさせた。実際の需要よりも地方空港振興の名分に合わせて免許が発行された」と指摘した。
業界ではLCC同士の買収合併を通じた構造調整がLCC生き残りの解決策として議論される。早ければ来年下半期に大韓航空系列のジンエアーとアシアナ航空系列のエアプサン、エアソウルが統合LCCとしてのスタートを控えており、市場再編の可能性が大きくなった。業界6位のイースター航空の場合、大株主であるVIGパートナーズが投資金回収に向け売却する可能性も提起される。亜洲(アジュ)大学経営学科のイ・ジョンウ教授は「この狭い国土面積にLCC9社は過剰供給。積極的な買収合併を通じた競争力確保と安全に対する投資拡大が必要な時期」と話した。
2025/08/18 08:43
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