ジョン・ボルトン元米大統領補佐官は26日、前日に行われた李在明(イ・ジェミョン)大統領とトランプ米大統領の初の韓米首脳会談について、「2人の大統領が互いを攻撃するより互いの間隙を狭めた良いスタートを切った」と評価した。
ボルトン元補佐官はただ、トランプ大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との対話の意志を明らかにしたことと関連し「むしろ北朝鮮が事実上の核保有国と認められる方向に流れかねない」との懸念を示した。
◇「お世辞はトランプ氏に活用できる良い手段」
ボルトン元補佐官はこの日、米国のシンクタンク韓米研究所(ICAS)が主催したオンラインセミナーで、「両国大統領はいずれも暗殺未遂を体験した点で実際の連帯感が形成されたようだ。李大統領はお世辞がうまかったが、これは現政権で活用するのに良い手段で今回も効果を発揮した」と話した。
彼は続けて「トランプ大統領は国同士の関係を相手国の指導者との個人的関係というプリズムを通じて見ているとことは明らかだ」とし、第1次トランプ政権時代にトランプ大統領と厚い関係を維持した日本の安倍晋三元首相に言及した。
ボルトン元補佐官は「安倍元首相はトランプ大統領に繰り返し電話をかけ、繰り返し会い、一緒にゴルフをした。トランプ大統領が金正恩との会談や北朝鮮問題が発生するたびに安倍元首相に電話したのは突然なことではなくすでに確立された関係を土台にしたもの」と話した。その上で「これは日本の国益だけでなく、米国と韓国の国益にもとても成功裏に寄与した」とした。
◇「最大の懸念はむしろ北朝鮮との対話再開」
ボルトン元補佐官はしかし韓国政府が今回の会談の成功要素のひとつとして提示する朝米対話再開の可能性に対し「トランプ大統領が金正恩に対する持続的な誘惑と第1次政権でした3回の会談に続くまた別の会談に欲を見せた点が最も懸念される」とした。
彼は「もし会談が実現するならば場所は平壌(ピョンヤン)になるだろう。これまでの過程を見れば(朝米会談が)シンガポール、ハノイ、非武装地帯(DMZ)と続き、トランプ大統領が金正恩と会っていないところはもうただ1カ所、北朝鮮の首都平壌だけ」と話した。
ボルトン元補佐官は「ノーベル賞を本当に望む人(トランプ氏)がいるが、ウクライナ攻撃や全面的に正しい措置であるイランの核兵器プログラム爆撃だけでは賞はもらえない状況。もうノーベル賞を取れる可能性は、比較的少ない数の潜在的交渉に狭まった」とした。
彼は「根拠は分からないが、トランプ大統領はロシアが核兵器廃棄の準備ができたと考え、中国も同意するだろうと信じているようだ。こうした考え方に陥れば米国とロシア、中国だけでなく、北朝鮮まで事実上の核保有国と認められる方向に流れかねない」と強調した。トランプ大統領がノーベル平和賞を狙って北朝鮮との対話を進める場合、対話の目標は非核化ではばく北朝鮮の核保有を認める方向になるだろうという指摘だ。
◇位置付け拡大した金正恩…「北朝鮮に最大圧迫していない」
ボルトン元補佐官は「これまでの北朝鮮制裁が北朝鮮の核政策と主要分野に決定的影響を及ぼすことができなかったというのは明確な事実」としながらも「われわれはまだ経済的に最大の圧迫を加えておらず、制裁も効果的に施行していないなど実質的に最大の圧迫をしていない」と話した。
彼はトランプ大統領が最近攻撃を加えたイランの例を挙げ、「アジアでイスラエルの役割を担う意志のある国を見ることはできなかった。イスラエルの行動が米国のイラン核プログラム攻撃を触発した契機になった」と主張した。
2025/08/27 10:10
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