イカリを上げた「MASGA」…米海軍力の増強、韓国が支援する

投稿者: | 2025年8月28日

李在明(イ・ジェミョン)大統領が訪米中の26日(現地時間)、米国の造船業復活を支援する「MASGA」(Make American Shipbuilding Great Again)プロジェクトに米軍艦の建造も含まれると初めて明らかにした。これは米海軍力の増強を直接支援することにもなる。

李大統領はこの日、米フィラデルフィアのハンファ・フィリー造船所で開かれた多目的艦艇「ステート・オブ・メイン」の命名式で「私がトランプ大統領に提案した米国の造船業を再び偉大にするプロジェクトは、単に巨大な軍艦と最先端船舶を建造するというビジョンだけでない。消えた夢を回復させるという巨大なビジョン」と明らかにした。MASGAプロジェクトを通じて実現しようとするビジョンを提示しながら軍艦および最先端船舶の建造を前提にしたのだ。

 前日の首脳会談で李大統領とトランプ米大統領は「韓国の造船力量を通じて米国と造船協力を大きく拡大していくことに共感」を形成した(魏聖洛国家安保室長の記者会見)。李大統領のこの日の演説は、首脳会談で自らMASGAプロジェクトについてトランプ大統領に説明したという意味とみられ、軍艦の建造に言及したのは単に造船業の協力を越えて安保協力まで包括するという意味となる。

李大統領が「ここフィリー造船所を通じて、72年の歴史の韓米同盟は安保同盟、経済同盟、技術同盟が重なった『未来型包括的戦略同盟』の新たな章を開くことになるだろう」と述べたこともこれを後押しする。前日、トランプ大統領も首脳会談の冒頭発言で「我々は韓国といくつかの船舶を契約することを考慮している」とし「我々は韓国から船を購入するが、我々の国民と共に船を建造することになるだろう」と話した。

李大統領は「軍艦建造ビジョン」の具体的な内容については説明しなかった。これは米海軍の空母・駆逐艦・潜水艦など戦闘艦を米国が建造するのを間接的に支援する案、韓国造船企業が米軍艦を直接建造する案がともに解釈可能だ。

李大統領は「第2次世界大戦の勝利を牽引した約50隻の軍艦がここで誕生し、約500隻の艦艇がここから海に出た」とし「フィラデルフィア沖を出た艦艇は韓国戦争(朝鮮戦争)の砲火の中で苦痛を受ける大韓民国の国民を救い出した」と強調した。

続いて「そのように誕生した大韓民国の造船業がいま米国の海洋安保を強化し、米国造船業の復活に寄与する新しい挑戦の道に出ていく」と述べた。フィリー造船所の軍艦建造力に言及したのは、韓国が買収したここで韓国の技術を支援して軍艦を建造できるという意味と解釈できる。

韓国の軍統帥権者が米軍艦建造の可能性を示唆したのは今回が初めてだ。これまで可視化した韓米の造船協力は、米海軍非戦闘艦である軍需支援艦の維持・整備・補修(MRO)事業の受注ほどだった。

梨花女子大の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は「最初から軍艦を抜いてMASGAプロジェクトを議論することはできなかったはず」とし「米国が造船業を復活させようとする背景に海軍力の増強があるため」と述べた。

現在米国は商船はジョーンズ法を通じて、軍艦はバーンズ-トリプソン法を通じて自国の造船所だけで建造するよう制限している。このため米議会では今年初めから同盟国に軍艦の建造を任せるよう法を改正しようという動きがある。

背景には圧倒的な船舶建造力量を保有する中国海軍力の崛起に対する危機感がある。これに先立ち米海軍情報局(ONI)は中国の年間船舶生産能力を2325万GT(総トン数)と推算した。米国(10万GT)の232倍にのぼるという評価だ。米議会は昨年9月の報告書で、中国海軍の艦艇は2030年までに435隻に増えると予想した。半面、米海軍は昨年基準で296隻、2030年までに294隻の戦闘艦を保有すると予想された。

米海軍力増強の協力について韓米国防当局間ではすでに共感があったという。国防部によると、今年5月、トランプ政権2期目に入って初めての韓米統合国防協議体(KIDD)で、韓米実務者は韓国の軍艦建造能力と意思について意見交換をした。7月に行われた安圭佰(アン・ギュベク)国防部長官とヘグセス米国防長官の最初の電話会談の後、国防部の報道資料にも韓米同盟の「互恵的現代化」とともに「造船・MROなどでの同盟協力」という内容が含まれた。

これは中国の反発につながるおそれがある。これに先立ち中国国営メディアのグローバルタイムズは18日の論評で「韓国または日本のロゴが付着した船が第3国に対する米国の軍事作戦に使われる場合、これは韓国や日本に潜在的に問題を起こすこともある」とし、軍事的対応を示唆した。

一方、李大統領はこの日、芳名録に前日トランプ大統領にプレゼントしたものと同じペンで「韓米造船協力の象徴ハンファ・フィリー造船所で韓米同盟の新しい地平が開かれることを期待する」と書いた。李大統領と出席者は記念写真を撮影する際、親指を立てながら「MASGA」と叫んだ。

この日の日程ではMASGAプロジェクトの主人公といえる金東官(キム・ドングァン)ハンファグループ副会長が同行し、生産設備を一つ一つ指差しながら李大統領に船舶建造技術を説明した。金副会長は「米国の未来海洋人材を養成するための現代的で世界的なレベルの船舶、今後数世代にわたり米国の海洋安保態勢を保障していく船舶のようなすべての価値と意味を『ステート・オブ・メイン』号が込めている」とし「ハンファは米国造船産業の新たな章を一緒にする強固なパートナーになる」と述べた。

2025/08/28 14:29
https://japanese.joins.com/JArticle/338115

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