8月29日、ソウル市瑞草区の新世界デパート江南店にある『鬼滅の刃』ポップアップストア。スーツケースを持ち、敷物を敷いて座って待つファン約100人でにぎわっていた。平日の午前中なのにもかかわらず、この日、ストアの入り口から始まった行列は売り場を一周するほど長くなった。韓国南西部・光州市から来た会社員キム・ハヌルさん(33)は「有給休暇を取って早朝の列車に乗って来た。人気グッズのバッグと毛布は絶対に買う」と語った。事前予約は待機番号が6000番台まで跳ね上がるほど競争が激しかった。2 週間と言う期間限定ポップアップ ストアの一日平均訪問者は3000 人を超える。京畿道城南市から来たイ・ジュハさん(31)は「友人たちに頼まれたグッズも買うのでスーツケースを持ってきた」と言った。
日本のアニメ映画『鬼滅の刃』シリーズの最終章に当たる『劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来』(以下『無限城編 第一章』)は先月31日、韓国で公開10日目にして観客動員数300万人を突破し、今年公開された作品の中で最短期間の300万人突破記録を作った。日本では韓国に先駆けて7月に公開されて1982万人を動員し、歴代収入成績3位にランクインしている。アジア市場だけで2億ドル(約294億円)のチケットを売り上げ、旋風を巻き起こしている。
『鬼滅の刃』は鬼化した妹を人間に戻すため、鬼殺隊に入った少年・炭治郎が、鬼たちと死闘を繰り広げるアクション・ファンタジー・アニメーションで、累積販売部数2億2000万部を記録した漫画が原作だ。2019年からテレビシリーズや劇場版が制作され、韓国でも一大ファンダムを形成している。『無限城編 第一章』は鬼殺隊と最精鋭の鬼たちの最終決戦を描く3部作の第一章だ。
『無限城編 第一章』はスマートフォンの小さな画面では見るのがもったいないほどの圧倒的な映像美が評判を呼び、人々を映画館に引き寄せている。今回の劇場版の主な舞台は鬼たちの本拠地であり、無限に拡張・変形する空間「無限城」だ。建物自体が上下左右に絶えず動き、非現実的な空間に吸い込まれるような体験ができる。これにアクションシーンが加わり、日本では「アニメーション技術力の頂点」という評価もある。
2025/09/02 10:00
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