干潟に取り残された70代男性に自分の救命胴衣を着せて救助した海洋警察官(34)死亡 /仁川

投稿者: | 2025年9月12日

 干潟に取り残された70代の外国人の救助に当たっていた30代の韓国海洋警察官が死亡した。死亡した海洋警察官は干潟で身動きできなくなった男性を救助するため、自身が着用していた救命胴衣を脱ぎ、男性に着せていたことが分かった。

 仁川海洋警察署は11日、「救助活動中に行方不明になっていた霊興派出所所属のイ・ジェソク警長(日本の巡査長に相当、34)が同日午前9時41分ごろ、仁川市甕津郡霊興面の花島から南西約1.4キロメートルの海上で捜索中だった中部地方海洋警察庁特攻隊によって発見された」と発表した。イ・ジェソク警長は心肺停止状態で発見され、心肺蘇生(そせい)を受けて近くのチンドゥ港に運ばれた。そして、消防当局が病院に搬送したが、死亡が確認された。

 同日午前2時7分ごろ、夜間ドローン・パトロール中に「花島付近の干潟に人が座っている」という情報が入り、イ・ジェソク警長が確認のため霊興派出所から現場に移動したとのことだ。

 満潮まであと約4時間という時、潮があっという間に満ちてきて取り残されてしまった中国国籍の70代男性Aさんを発見したイ・ジェソク警長は、海水が腰まで達した午前3時ごろ、自身の救命胴衣を脱いでAさんに着せ、Aさんの負傷した足に装備の手袋を履かせた上で、一緒に陸に泳いで移動している最中に行方不明になった。

 霊興派出所は無線で交信していたイ・ジェソク警長との連絡が途絶えると、午前3時30分ごろ、仁川海洋警察署状況室に「干潟で孤立していた男性を救助中の警察官が行方不明になった」と報告、同署が直ちに捜索を開始した。Aさんは午前4時20分ごろ、同署のヘリコプターにより救助された。

 同署は警備艦艇28隻とヘリコプター1機、航空機1機などを動員して行方不明になったイ・ジェソク警長の捜索活動を実施した。イ・ジェソク警長は行方不明になってから約6時間後の同日午前9時41分ごろ、事故海域付近を捜索していた中部地方海洋警察庁特攻隊によって発見された。同署では、イ・ジェソク警長が急に満ちてきた潮に流されて事故に遭ったとみているが、詳しい事故の経緯などを調べている。

 同署関係者は「自身の命を投げ打って人命救助に当たった同僚警察官の犠牲に深い哀悼の意を表する。高貴な犠牲が無駄にならないよう徹底的に調査する」と語った。イ・ジェソク警長は2021年7月、海洋警察官に任用された。仁川海洋警察署所属の300トン級警備艦艇勤務を経て、現在まで霊興派出所で勤務してきた。

 イ・ジェソク警長の祭壇は仁川市東区内の葬儀場に設けられた。イ・ジェソク警長の葬儀は中部地方海洋警察庁葬で今月15日までの5日間にわたり執り行われる。イ・ジェソク警長の祭壇を訪れた金民錫(キム・ミンソク)首相は「故人のご冥福を祈ると共に、ご心痛のご遺族にお悔やみ申し上げる。韓国国民もこのような犠牲に心を痛め、深く胸に刻むだろう」と述べた。同庁は11日、昇進審査委員会を開き、イ・ジェソク警長の階級を1階級特進の警査(巡査部長に相当)としたと発表した。

仁川=イ・ヒョンジュン記者

2025/09/12 09:20
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