李大統領の訪日・訪米中に…中国、6000トン級ステルス艦を西海に派遣

投稿者: | 2025年9月16日

中国が先月、李在明(イ・ジェミョン)大統領の訪日・訪米期間中に一日平均3隻ずつ最新型ステルス054B型護衛艦(6000トン級)などを西海(ソヘ、黄海)暫定措置水域(PMZ)内の韓国側管轄水域に派遣していたことが明らかになった。中国が艦艇を随時派遣するなど「西海内海化」の動きが懸念される中、「ビッグ外交イベント」のため韓国の軍統帥権者が席を外す間に海上影響力を誇示したとみられる。

15日、複数の軍事情報筋と国会国防委員会の林鍾得(イム・ジョンドゥク)国民の力議員によると、軍当局は先月、李大統領の訪日および訪米期間中に中国が一日平均3隻の軍艦を西海PMZに展開したと把握した。李大統領は先月23日に日本に向けて出国し、石破茂首相と会談した後、翌日に米国に出発してトランプ米大統領と初めて首脳会談を行い、先月28日に帰国した。

 中国の艦艇展開は、韓国の新政権発足後に初めて韓米日間の連鎖的首脳会談が行われるのを警戒する意図があると考えられる。軍によると、中国海軍艦艇は2023年に約360回、昨年は約330回、西海の韓国管轄水域に進入した。

梨花女子大の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は「中国が連鎖首脳会談の期間に合わせて西海に軍艦を送ったのは、これを牽制しようという政治的意図を表したものとみる余地がある」と指摘した。

軍事情報筋によると、李大統領の海外訪問期間中にPMZに進入した中国軍艦の種類は054A型・054B型護衛艦などだ。西海に進出する中国艦艇の具体的な艦型が表れたのは今回が初めて。

054A型は中国の4000トン級護衛艦で、中国海軍はこれを約30隻保有しているというのが民間軍事専門家らの評価だ。

054B型は054A型の改良型で、6000トン級ステルス護衛艦。中国国営新華社通信によると、054B型の1番艦「漯河」が今年1月22日に西海を管轄する北海艦隊に引き渡された。まだ2番艦が実戦配備された状況が確認されていない点からみて、軍当局が把握した054B型は1番艦「漯河」である可能性が高い。

「漯河」はステルス機能を備えた駆逐艦級護衛艦だ。垂直発射管(VLS)は32個で、各種対艦・対空・対潜水ミサイルも装着している。今年5月の中国の西海軍事訓練当時に投入された中国の3隻目の空母「福建」と共に活動する可能性が高い。

軍当局はこのほか中国の055型レンハイ級駆逐艦(1万1000トン級、米国基準巡洋艦)、052D型旅洋III級駆逐艦(7500トン級)、815型情報収集艦(AGI)、053型護衛艦(2250トン級)などが随時PMZ内の韓国管轄海域に進入していることが把握した。各種軍事訓練と戦闘実験を遂行したと推定される。

このうち特に情報収集艦は諜報活動(SIGINT)目的で運用される。平沢(ピョンテク)の韓国海軍基地や西海・南海で活動する米海軍艦艇の電子情報信号を傍受しているのではという指摘が提起される理由だ。

これに先立ちオーストラリア国防省は2022年、「中国の情報収集艦が西部エクスマウスのハロルドEホルト海軍基地付近を通過しながら諜報活動をした」と明らかにしたが、815型情報収集艦が同一の艦型だ。オーストラリア側は同艦艇がオーストラリア西部海域を通過したことについて、AUKUS(米英豪間の安保同盟)協力後に中国がオーストラリアと米国の軍艦関連情報を収集する目的があるとみている。

これは中国の習近平国家主席が昨年4月に陸・海・空軍とは別の情報支援部隊を分離・新設し、現代戦の核心機能である情報収集能力を強化したのと無関係でないとみられる。今後、中国海軍の情報収集艦の動線と頻度にも注目する必要があるという指摘だ。

PMZは韓中両国の200海里(370キロ)排他的経済水域(EEZ)が重なる海域だ。国際法上の公海であり、艦艇の運航自体を法的に問題にするのは難しいが、中国は南シナ海などで似た手法で領有権を主張した前歴があるという点で警戒される。実際、中国は西海PMZに漁業施設と主張する構造物と浮標を無断設置するなど「グレーゾーン挑発」を繰り返している。

韓国はイージス駆逐艦などで対応しているが、比例的対応は物理的に難しい側面がある。米議会調査局によると、昨年基準で中国海軍の艦艇数は370隻で、2030年には435隻に増える見込みだ。半面、韓国海軍は約150隻で半分にもならない。海軍は頻度数を増やしても比例対応するという立場だが、この場合、作戦疲労度が高まるしかない。

林鍾得議員は「中国軍の活動は過去に南シナ海で内海化を推進した戦略と似ている」とし「西海は韓国の漁業権と安保、国家主権がかかるところであるだけに外交・軍事的対応策を用意する必要がある」と指摘した。

2025/09/16 08:40
https://japanese.joins.com/JArticle/338727

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