先日、米国のラトニック商務長官と会談したキム・ジョングァン産業通商資源部長官が、「トランプ政権は合理性とは距離がある」として、韓米関税交渉の後続協議が難航しているとの立場を明らかにした。しかし、米国に無理な要求を突き付けられてはいるものの、安保分野などを含む全般的な対米関係を考慮して交渉を続けると述べた。
キム長官は16日の産業部担当記者との懇談会で、交渉の状況について「こう着局面にあり、継続する過程」だとして、「交渉というものは駆け引きがある」と述べた。12日にニューヨークでラトニック商務長官と会談したものの、明確な合意点を見出せなかったキム長官は、「タフに(激しく)行ったり来たりしている」、「机をたたいたり、私も声も張り上げたりもする、そのような過程にある」として、大きな意見の食い違いがあることを語った。また「インド、スイス、中国をみると(米国との合意が)結ばれなければ関税が大幅に上がる」とし、米国が現在は15%となっている韓国に対する相互関税率を大幅に引き上げてくる可能性を念頭に置いていることを示唆した。ラトニック長官は11日のCNBCとのインタビューで、「韓国は(米国の望んでいる)合意を受け入れるか、関税を払うかしなければならない」と述べている。
米国は、韓国が約束した3500億ドル(約484兆ウォン)規模の投資ファンドをめぐり、日本との合意と同様に自分たちが投資先を選定し、韓国は要求がある度に資本を出せとの立場をかたくなに守っているという。
しかしキム長官は、米国の要求は変わりつつあるとして、現時点の論議内容を公開しなかった。ただし「ある方々は3500億ドルを米国がすべて持っていくのではないかと言っているが、『MASGA』(『米国造船業を再び偉大に』プロジェクト)の1500億ドルのように、韓国企業が活用するのにも役立つ」内容も協議されていると語った。また拘束力のない了解覚書(MOU)からなる日米合意には、投資の用途を両国で協議し、同意できなければ日本が合意に従わないこともありうるという内容も含まれていると語った。政府もこれを参考にするという趣旨だと読み取れる。
キム長官は、大きすぎる代価を支払うのなら、その金の一部で関税の被害を受ける企業を支援した方がよいとの指摘については、「私もそのように考える時がある」と述べた。しかし「安保、安全の心配のない平和」と「世界の中の韓国」という目標の下で交渉を続けなければならないと主張した。
安保交渉を含む全般的な対米関係を考慮すれば、関税交渉による経済的損失は一部甘んじて受け入れるべきだという趣旨だと解釈される。また「よくご存知のとおり、トランプ政権は合理性とは距離がある、言うことを聞かなければ『お前は味方じゃない』という、10年、20年前に私たちが知っていた米国ではない」と語った。
キム長官は、ラトニック長官がジョージア州のLGエナジーソリューションの韓国人労働者の検挙事件について「改善する」と述べ、ビザ問題の解決を約束したと語った。
2025/09/17 11:52
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