孫世代に渡った「靖国合祀撤廃」訴訟…「痛ましい歴史、私たちの代で終わらせるべき」

投稿者: | 2025年9月20日

 靖国神社に無断で合祀された朝鮮人犠牲者の孫世代の遺族が19日、日本の裁判所に「第3次無断合祀撤廃訴訟」を起こした。

 靖国神社に無断で合祀された韓国人被害遺族などで構成された「ノーハプさ(合祀)!第3次訴訟団」は同日、日本による植民地時代、日本に徴集され犠牲になった後、日本の戦没者追悼施設である靖国神社に合祀された先祖の名前を外してほしいなどの要求を裁判所に提出した。

 訴状を見ると、遺族6人は靖国神社が管理する霊璽簿・祭神簿・祭神名表など名簿から自身の先祖の名前を削除し、無断で合祀が行われたことに対して日本政府の謝罪を要求した。また、合祀者1人当たりの原告に慰謝料最大120万円を請求した。

 靖国神社は、日本の侵略戦争や内戦で死亡した246万人余りを戦没者として扱い、彼らの魂を合祀している。亡くなった人たちの名簿「霊璽簿」で一定の儀式を経れば、彼らの霊魂が靖国神社に眠ることになり、彼らに一度に祭祀を行う。ここには東條英機など太平洋戦争A級戦犯12人も合祀されている。

 特に問題になっているのは、この中に本人や遺族の意思とは関係なく、太平洋戦争当時に死亡した朝鮮人約2万人も強制的に合祀されていることだ。1990年代に入り遅れて朝鮮人合祀事実が知られ、遺族が2001年(在韓軍人・軍属被害者損害賠償請求訴訟)と2007年(無断合祀撤廃1次訴訟)、2013年3回にわたり合祀撤廃訴訟を起こした。ところが、日本の高裁や最高裁で「最高裁判所訴訟事案ではない」とか「訴訟可能な期間が過ぎた」という納得し難い理由で相次いで原告敗訴判決が下された。

 今回の訴状には「太平洋戦争当時『日本人』として(扱われ)戦場で命を失った朝鮮人軍人と軍属は、まさに日本の朝鮮侵略支配の被害者だが、戦後の靖国神社ではA級戦犯など加害者と同一の『護国の英霊』として合祀されている」とし、「これは明白な矛盾」と指摘した。さらに原告側は「合祀だけでなく、以後遺族に戦没者情報提供行為も無断で行われている」とし、「原告である韓国の遺族が合祀取り消しを要求しているが、靖国側は『ひとまず英霊で合祀された以上、取り消すことはできない』と一蹴し、これを拒否し続けている」と指摘した。

 今回の「無断合祀撤廃3次訴訟」には1944年に日本陸軍に連行され、その年に中国安徽省で銃傷を負って死亡した故朴憲泰(パク・ホンテ)さんの孫3人が原告として参加した。故パク・ホンテさんは1959年、「中原憲泰」という創氏改名された名前で靖国神社に無断合祀された。靖国合祀朝鮮人の孫世代が「合祀撤廃」訴訟に乗り出したのは今回が初めて。

 この日、遺族の資格で訴訟を起こしたパクさんの孫、パク・ソニョプさん(56)は「祖父は20歳の時、妻と子供を置いて中国の安徽省に徴集されて死亡した」とし、「望まない戦争に連れて行かれ、望まない死に遭い、加害者の論理が溶け込んでいる靖国神社に合祀されている」と語った。パクさんは「この問題と関連し、日本の司法体系と政治論理は自己矛盾に陥っている」とし、「今始まる3次訴訟では日本の裁判所が除斥期間などを口実にこの問題から逃げてはならない」と指摘した。これに先立ち、パクさんの父親と祖母がそれぞれ「軍人・軍属訴訟」(2001年)と「合祀撤廃1次訴訟」(2007年)の原告として参加していた。

 2001年に初めて訴訟に参加した太平洋戦争被害者補償推進協議会・靖国反対共同行動韓国委員会のイ・ヒジャ代表はこの場で「2001年に初めて提訴する時は(被害者の)娘であると同時に、子どもを育てる母親として訴訟を始めたが、その戦いが孫の世代まで続くことになった」とし、「このような問題を孫の世代が受け継がなければならない状況にとても心が痛む」と語った。イ代表は「日本政府と靖国神社はこのような事実を認めていない」とし、「今回の訴訟を通じて誤った歴史を正さなければならない」と指摘した。

2025/09/19 17:08
https://japan.hani.co.kr/arti/international/54276.html

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