「中日緊張」に韓国の観光・流通は笑い製造業は緊張…中長期悪材料の懸念

投稿者: | 2025年12月1日

中国の旅行サイト「去哪児」によると、先月15~16日に中国で最も人気がある海外旅行地として韓国が日本を抜いて1位に上がった。同じ期間の航空券決済件数も韓国が1位を占めた。旅行地として韓国が日本を逆転したタイミングが微妙だ。中国政府が先月14日に自国民に日本旅行自粛を勧告するなど「限日令」を下した直後だからだ。韓国が中日対立の最大の恩恵を得られるとの見通しが出ている。必ずそうなるだろうか。

日本の高市早苗首相が先月7日に台湾有事の際の軍事介入の可能性を言及してから中日対立が深まっている。中国は日本への旅行と留学の自粛命令を発表した。最近では日本産水産物輸入中止措置に戦線を広げた。日本は「対話は開かれている」としながらも高市首相の台湾関連発言撤回は拒否した。

 中日外交対立が経済に広がったのは初めてではない。中国は尖閣諸島(中国名・釣魚島)紛争が起きた2010年、日本へのレアアース輸出を制限し、不買運動や観光禁止措置など全方向で規制をした。申珏秀(シン・ガクス)元駐日韓国大使は「高市首相の台湾言及は徹底して計算された発言であり、日本が立場を変える可能性はない。尖閣紛争当時に日本が中国の制裁にも退かず強く持ちこたえた前例があるだけに対立は長期化するかもしれない」と懸念する。

韓国経済に及ぼす影響が注目される。中国が日本観光を制限して減った日本への観光客が韓国に向かう場合、韓国が代替観光地として恩恵を受ける。最大の旅行繁忙期である来年初めの春節(中国旧正月)まで影響が期待できる。ある旅行会社関係者は「中国人のビザなし入国政策まで重なり韓国が日本の代替旅行地として注目されるだろう」と期待した。

DS投資証券のキム・スヒョン研究員は「中日対立が長引くほど地理的アクセス性とコスト競争力を備えた韓国が対立の核心恩恵国に浮上する可能性が大きい。観光だけでなくファッション、コスメ、食べ物など消費財流通全般に肯定的影響を及ぼすだろう」と予想した。

だが対立の長期化と拡大にともなうリスクもある。世界の国内総生産(GDP)の20%を占めるほど大きい韓中日経済圏が互いに供給網で緊密につながっているためだ。韓国は半導体と電気自動車バッテリーのような主力製造業だけでなく、素材・部品・装備需給で中日と供給網で緊密に結ばれている。韓国産業通商資源部によると、韓国の素材・部品・装備依存度は昨年基準で中国が29.5%、日本が13.9%に達する。

韓国外国語大学融合日本地域学部のイ・ジピョン教授は「韓国の製造業者は中日に生産施設を置いたり核心部品を調達するケースが多い。中国が日本企業にレアアースなどの輸出を規制したり、反対に日本が中国に対する素材・部品・装備規制を強化する場合、韓国の輸出供給網に悪影響を与える恐れがある」と懸念する。現代経済研究院のイ・ブヒョン理事は「企業ごとに中日対立長期戦に備えた段階別非常計画を用意しなければならない」と助言した。対外経済政策研究院のチョン・ソンチュン先任研究委員は「米中対立の最中なのに中日緊張という変数が追加された。韓国政府が東アジアの域内緊張緩和に向けた仲裁者としての役割を積極的に模索しなければならない」と話した。

2025/12/01 09:28
https://japanese.joins.com/JArticle/341622

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