米国もイランも批判できない韓国政府…「戦略的曖昧さの維持が最善」

投稿者: | 2026年3月4日

支持することも反対することもできない。米国の対イラン攻撃「猛烈な怒り」作戦を見守る韓国政府の本音だ。米国の味方をすれば主権国家に対する一方的な武力行使を支持することになり、批判すれば韓米間の通商および安保懸案が山積する中でさらに対立を深めることになる。政府のメッセージが「綱渡り」を続けていると評価される背景だ。

韓国外交部は、イラン最高指導者のアヤトラ・アリ・ハメネイ師の死去から2日後の2日、「我々は北朝鮮核問題の当事国として、国際的な核不拡散体制の守護に対して確固たる意志を持っており、これに基づきイラン核問題解決に向けた国際社会の努力に加わってきた」〔朴一(パク・イル)報道官声明〕との立場を明らかにした。米国が空爆の名目として掲げた「核開発阻止」に関し、原則的な立場を述べたものだ。

 これは侵攻当日である先月28日に出した「現状況を注視しており、すべての当事者が緊張緩和のために努力することを求める」(朴一報道官)とした声明よりは一歩踏み込んだ側面がある。しかし、米国の攻撃行為そのものに対する立場や、イランの不法な核開発に対する評価がない点は同様だった。

こうした追加声明も、「イランによる核兵器開発は決して容認できない」(高市早苗首相、2日衆議院予算委員会)という日本の立場発表が出た後にようやく発表された。これに関連し、外交部関係者は「我々が米国・イスラエルの攻撃について評価したり判断したりする立場にない」とし、「その部分(に対する判断)は留保する」と立場表明を避けた。あわせて「韓国政府は今回の事態に関して、わが国民の安全確保を最優先に置くという方向性を持っており、また中東地域の平和と安定を回復するために外交的な意思疎通を続けていく方針だ」と付け加えた。

政府がこのようにはっきりとしたメッセージの発信に消極的なのは、今回の米国の対イラン作戦に関する正当性を巡り、国際的な解釈が分かれている状況と無関係ではない。米国とイスラエルはこれを切迫した脅威に対応した「先制打撃(Preemptive strike)」だと主張し、自衛権の範疇に入れようとしている。一方、国際社会の一角では、今回の打撃が潜在的な脅威をあらかじめ除去しようとする「予防打撃(Preventive strike)」の性格が強いとの指摘が出ており、論争が起きている。

これに関連し、米ABC放送は2日(現地時間)、米情報当局は作戦開始前にイランが米国資産を狙った先制攻撃を準備しているという兆候は把握していなかったと報じた。前日、米政府当局者が非公開の議会ブリーフィングでそのように報告したという。

予防打撃の場合、国際法的に正当性を認められないケースが多い。ノルウェーのエスペン・バット・アイデ外相は声明で「イスラエルは今回の攻撃を先制的な空爆だとしたが、国際法に適合しない。国際法上の先制攻撃の要件は、即時かつ切迫した脅威だ」と指摘した。

韓国政府が米国の決断を容易に支持できない理由もここにある。この場合、米国の論理を北朝鮮にそのまま適用し、やはり一方的な武力行使に出ることを阻止する名分を失うためだ。イランがそのまま韓半島(朝鮮半島)の前例になりかねないといえる。

反面、最大の同盟国である米国に対して「国際法違反」と矛先を向けることも、韓国政府が取りにくい選択肢だ。ある消息筋は「散在する韓米間の安保・経済懸案を考慮するとき、友邦の軍事作戦を正面から否定するのは不可能なこと」とし、「精密な状況管理が必要な時期だ」と語った。

韓国政界は、こうした政府の静かな動きに対し、両極端の評価を下している。汎与党圏内でも立場が分かれた。共に民主党は「追加的な流血事態を防ぎ、平和を取り戻すことが急務」〔先月28日、朴洙賢(パク・スヒョン)首席報道官〕とし、政府の慎重論を後押しした。一方、「国連憲章を正面から違反した米国の侵攻行為」(祖国革新党のハン・ギソン報道官)、「政府は米国の不義の戦争に振り回されてはならない」〔進歩党、鄭恵曔(チョン・ヘギョン)議員〕といった米国糾弾論も相次いだ。

野党「国民の力」は政府の態度を「屈従」だと声を高めた。張東赫(チャン・ドンヒョク)代表は2日、国会最高委員会議で「イランは金正恩(キム・ジョンウン)が直面する未来の予告編」とし、「李在明(イ・ジェミョン)政府は屈従的な対北政策を撤回し、国政の枠組みを転換せよ」と非難した。

これに対し、西江(ソガン)大学政治外交学科のハ・サンウン教授は「青瓦台(チョンワデ、大統領府)と政府はメッセージのレベル調整に苦心しているだろう」とし、「米国の行動を支持すれば、次のターゲットを北朝鮮に据える際の防御論理が弱まり、非難したところで何の利益も得られない」と診断した。また「政府が今のように自発的な沈黙を維持することが賢明な戦略になるだろう」とも付け加えた。

2026/03/04 09:54
https://japanese.joins.com/JArticle/345616

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