李在明大統領「通貨スワップなしに3500億ドル全額現金で対米投資すれば金融危機」

投稿者: | 2025年9月23日

 李在明(イ・ジェミョン)大統領は22日に公開されたロイター通信とのインタビューで、「(韓米)通貨スワップなしで米国が要求する方式で3500億ドル(約51億7500万円)を引き出して全額現金で投資すれば、韓国は1997年のアジア通貨危機のような状況に直面するだろう」と語った。これまで韓国当局者は韓米「通貨スワップ」の必要性を提起してきたが、李大統領が公に言及したのは初めてだ。

 韓米は今年8月の首脳会談で、韓国が3500億ドルの対米投資ファンドを造成することで合意したが、ファンド運用権限・投資方式と収益配分をめぐって意見の違いを縮められずにいる。

 そのうちの 1 つが通貨スワップの問題だ。通貨スワップとは、両国が互いの通貨を一定期間、あらかじめ定めた為替レートで交換できるようにした契約のことだ。韓国はドルが必要な一方で、米国はウォンを必要としないため、通貨スワップは韓国にとって必要な措置だ。

 韓国は何の安全装置もなしに外貨準備高(7月・4113億ドル)の85%に相当する3500億ドルを引き出すことはできないという考えだ。韓国は、ドルが不足するとウォンの価値が暴落するなどの危機に直面する恐れがあるため、今回の関税交渉で韓国当局は通貨スワップを米国に要求したが、米国は否定的だという。

 李大統領はインタビューで、米国との貿易合意を文書化した日本の外貨準備高などを説明し、「韓国は準基軸通貨の円を持つ日本とは違う」とも言った。

 李大統領はまた、「(投資プロジェクトが)商業的合理性を保障する細部合意に達することが核心課題であり、最大の障害物だ」とも述べた。米国は、3500億ドルの関連投資先も米国が決め、投資元金回収前までに発生する収益は韓米が5対5で分け合うが、元金回収後の収益は米国が90%持っていくことを望んでいるという。

 李大統領は「この不安定な状況はできるだけ早く終わらせなければならない」と言った。また、「米国との貿易合意を放棄する意向はあるか」という質問には「血盟の間で最小限の合理性を維持できると私は信じている」と答えた。一部には「今年10月末に韓国の慶州で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で後続交渉が妥結するのではないか」という見方も出ている。APEC首脳会議には米国のドナルド・トランプ大統領が出席する予定だ。

 今月初め、米当局がジョージア州にある現代自動車-LGエネルギーソリューション合弁バッテリー工場建設現場に対して行った移民取り締まりについては、「韓国人労働者たちに対する『過酷な』処遇に韓国人たちが怒り、対米投資に関して韓国企業各社が懸念する恐れがある」と言った。だがその一方で「私はこれが意図的だとは思わない。米国は今回の件について謝罪したし、我々はこれと関連する合理的な措置を模索することで合意した。その方策について作業をしている」と語った。

キム・テジュン記者

2025/09/23 10:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/09/23/2025092380039.html

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