韓国大田(テジョン)国家情報資源管理院の火災により、政府業務システム647件の稼働が停止したが、9月28日午後10時基準で30件が復旧した。28日、行政安全部によれば、国民申聞鼓(オンライン民願処理システム)・ポクジロ(福祉ポータルサイト)・政府24(行政サービスサイト)・国民秘書(行政通知サービス)・ナラジャント(国家契約システム)などの主要システムが停止した。27日に火災が鎮圧され、韓国政府は復旧に取りかかったが、完全復旧までは相当な時間がかかる見通しだ。
管理院は地上5階規模の建物だ。火災は5階7-1電算室で発生し、電算室にあった電算装備740台とバッテリー384台が全焼した。火災により冷却装置などが正常に作動せず、システム保護のため火災の直接的影響を受けなかったサーバーまで全て「シャットダウン」した状態だ。これにより大田本院が担当する647件全システムが停止した。火災の直接的影響を受けたシステムは96件だ。
中央災難安全対策本部によると、28日第1電算室から第6電算室(2〜4階)まで恒温恒湿機の復旧を完了して正常稼働中だ。核心セキュリティ装備計767台のうち763台(99%以上)が再稼働した。ネットワーク装備も50%以上が稼働した。通信・セキュリティーインフラの稼働が完了すれば、火災によって直接の被害を受けなかった551件システムを順次再稼働する方針だ。政府24・ナラジャント・モバイル身分証などがこれに含まれる。国家情報資源管理院のイ・ジェヨン院長は「(システムを)立ち上げる順序と手続き、連携機関、接続部分などが複雑に絡み合っているため、手続きとシステムの特性に応じて再稼働検証作業を経ることになる」と説明した。
モバイル身分証は新規発行・再発行を除くすべての機能が正常化した。郵便局金融サービスも再開された。科学技術情報通信部によると、28日午後9時を起点に郵便局チェックカード(日本のデビッドカードに相当)決済、インターネットバンキング、ATM機器使用、保険加入および保険金請求などが再稼働した。ただし宅配など郵便サービスはシステム復旧にもう少し時間がかかり、29日午前のサービス再開を目標にしている。
主要経済部処の電算網もこの日一部復旧した。企画財政部は国家財政業務プラットフォーム「国家財政システム(dBrain)」や「開かれた財政」、「eナラ財産」、「国税外収入ポータル」など一部対民間システムが午後4時から正常稼働を始めたと明らかにした。
ただし全焼した96件のシステムを再稼働するには少なくとも2週間以上かかるとみられる。国民申聞鼓や国家法令情報システム、公務員行政業務網「オンナラシステム」、行政安全部など中央部処ホームページ管理システムなど政府の核心電算網が含まれている。特にオンナラシステムは公務員が文書を提出するなどの業務に必須のシステムだ。行政安全部関係者は「96件システムは大邱(テグ)センター民間クラウドへ移転する予定だが、少なくとも2週間以上かかる予定」と話した。
一部データ損失の可能性も出ている。行政安全部によると、1・2等級の主要システムは1日1回、その他のシステムは1週間または1カ月に1回忠清南道公州(コンジュ)センターにバックアップする。1カ月に1回バックアップするデータの最新バックアップは8月31日だった。同部関係者は「バックアップの有無によっては若干の損失があるかもしれない」とした。
官公庁・企業・病院の平日業務が始まる29日(月曜日)から「民願大乱」が本格化するのではないかとの懸念が続いた。28日、ソウルのある区庁関係者は「月曜日はもともと住民センターや区庁民願室が混みやすい日だが、明日は(民願しようとする人で)大混雑しそうだ」と心配した。「政府24」はオンラインで処理していた住民登録謄抄本の発行、転入申告などのために「実物身分証を持参して住民センターに訪問してほしい」と案内している。
金融圏も緊張状態だ。住民登録証を通じた身分確認と公共マイデータ機能が制限され、復旧までできるだけ対面窓口を訪問するよう案内しているが、貸付などに必要な各種行政書類の発行に支障が生じており、相当な混乱が予想される。
医療界では国立臓器組織血液管理院(KONOS)の臓器組織血液統合管理システムが作動不能となり、臓器提供者と移植待機者間のマッチングに支障が予想される。教育部は「小・中・高校が活用する教育行政システム(NEIS)は一部障害はあるが業務活用には支障のない状況だ。ただし『政府24』と紐づいた各種証明書は教育庁や学校を訪問して発行してもらわなければならない」と明らかにした。
2025/09/29 09:55
https://japanese.joins.com/JArticle/339204