李大統領、石破氏と告別首脳会談…貿易秩序に共同対応することで一致

投稿者: | 2025年10月1日

韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領と石破茂首相は9月30日、釜山(プサン)で韓日首脳会談を行い、両国に共通する社会問題に共同で対応していくことで意見を一致させた。

この日午後、釜山ヌリマルAPECハウスで76分間にわたって行われた会談で、李大統領は「韓国と日本はさまざまな側面で同じような課題を抱えている」とし「その中の一つがおそらく首都圏集中問題であり、(石破)首相が地域の均衡発展や地方発展に格別に高い関心を持っている点は、私も驚くほど同じだ」と述べた。続けて「容易に共感できる社会問題から、経済問題を越えて安保問題、さらには情緒的な共感までも共にする、そのような近い韓日関係が築かれることを期待する」と語った。

 石破首相は「共通の社会問題を解決するために互いの知恵と経験を共有しながら、両国関係を築いていければと思う」とし「両国の科学技術協力委員会も再開することを望む」と述べた。1986年に始まった韓日科学技術協力委員会は、2011年の両国関係の悪化により中断されている。会談後には、少子高齢化、国土の不均衡成長、高い自殺率など共通の社会問題への対応のために協議体を運営するという共同文書も発表した。

会談で李大統領は、北朝鮮の核問題解決と韓半島(朝鮮半島)の平和に向けた日本側の協力を求め、両首脳は韓半島の完全な非核化に対する確固とした意志を再確認した。また、急変する世界貿易秩序に共に対応していくことで共感を形成した。韓米間の関税・貿易交渉が難航する状況で、ドナルド・トランプ米大統領が主導するグローバル通商環境の変化に韓日が共同で対処する必要があるという認識を共有したものだ。李大統領は「世の中が困難になればなるほど、近い隣国同士の情理や交流が重要だ」と述べ、石破首相は「両国が厳しい環境の中で共同の利益を見いだし協力を推進していけるなら、どれほど良いことか」と応じた。釜山の宿願事業である北極航路の協力についても議論されたと、姜由楨(カン・ユジョン)大統領室報道官が伝えた。

会談では過去史に関する原論的な対話も交わされた。「歴史に真正面から向き合うことなくして、明るい未来は拓けない」という石破首相の国連総会演説に言及した李大統領は「過去を直視し明るい未来へ進もうという私の考えと同じ」と共感を示した。石破首相は「心から感謝する」と答えたと姜報道官が伝えた。

李大統領は「私はソウルから専用列車に乗って釜山に来たが、おそらく首相が日本から釜山に飛んできた方が時間的にほぼ同じか、むしろ短かったのではないかと思う」とし「(両国が)本当に近づいていくことを望む」と述べた。石破首相は「ここ釜山は、晴れた日には対馬が見えるほど近い場所で、たぶん私の故郷(鳥取県)からは1時間しかかからないだろう」と応じた。

李大統領は、8月23日に東京で行われた首脳会談を振り返り「本当に素晴らしい料理を準備してくださったが、その中でも『石破カレー』が最高だった」と回想した。石破首相は「大変光栄に思う。また後日ご一緒できればうれしい」と返した。

石破首相の訪韓は、8月の李大統領訪日に対する答礼の性格を持ち、両国のシャトル外交が完成したことを意味する。李大統領は6月の就任以降、石破首相と三度会談している。李大統領が前回の会談で「ソウルではなく地方で会おう」と提案したことで、今回は釜山で会うことになった。今回の訪問は実務訪問だが、韓国政府は石破首相がヌリマルに入場する際、伝統の儀仗隊と軍楽隊を整列させて国賓訪問に準じて待遇した。大統領室は、朝鮮時代に日本へ派遣された外交使節団である朝鮮通信使の行列を再現したと説明した。会談終了後、両首脳は共に散策し、晩餐を囲んだ。晩餐には両国首脳夫妻が出席する予定だったが、金恵景(キム・ヘギョン)夫人は耳石症により欠席した。

会談に先立ち石破首相は、現職の日本首相として初めてこの日釜山市立永楽(ヨンラク)公園の李秀賢(イ・スヒョン)さんの墓を訪れ、参拝した。李さんは2001年、新大久保駅で線路に落ちた日本人を救うために線路に飛び降り、26歳の若さで命を落とした義人だ。李大統領は会談で「韓国と日本の間にどのような関係が可能かを示した場面だ」と述べた。

今回が告別訪韓となる石破首相は、就任365日目を迎え「李大統領との首脳会談で(外交を)うまく締めくくることができ、大変意義深い」と語った。

2025/10/01 06:39
https://japanese.joins.com/JArticle/339288

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