「第39回本の日」(10月11日)を記念し、『帝国の慰安婦』の著者である朴裕河(パク・ユハ)世宗大学名誉教授と出版社「プリワイパリ(根っこと葉っぱ)」のチョン・ジョンジュ代表に授与されることになっていた韓国出版功労賞の特別功労賞が取り消された。
主管団体の大韓出版文化協会は10月1日、「朴裕河名誉教授とチョン・ジョンジュ代表の特別功労賞受賞に関する報道があった後、『不適切だ』という批判があった。緊急会議を招集し、2人に対する特別功労賞授与を取り消すことにした」と説明した。
慰安婦関連団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」は9月30日、朴裕河名誉教授が受賞者に選定されたことに対して見解文を出し、「歴史不正勢力の名誉毀損(きそん)と侮辱行為が極みに達しているこの時期に、慰安婦被害者が直接告訴し、裁判まで進めた本の著者を堂々と受賞者に決めたという事実は到底信じられない」と非難した。
朴裕河名誉教授は『帝国の慰安婦』で旧日本軍慰安婦被害者の名誉を傷つけたとして2015年に起訴されたが、2023年に大法院(最高裁判所に相当)で無罪趣旨の判決を受け、昨年無罪が確定した。出版・配布を制限したこれまでの仮処分決定も今年7月に取り消された。 大韓出版文化協会は「朴裕河名誉教授は訴訟に巻き込まれてから11年も法的闘争を続け、これを通じて学問の自由と言論・出版の自由を守り抜いた」という推薦を基に受賞者に選定したが、この日の取り消し決定で再び論争の渦中に立つことになった。
大韓出版文化協会のユン・チョルホ会長は本紙の電話取材に「朴裕河名誉教授とチョン・ジョンジュ代表が受賞取り消しを要請してきた。協会内でも『正義記憶連帯などの意見に耳を傾けるのが正しい行動だ』という声が上がり、決定を翻した」と述べた。
朴裕河名誉教授は10月1日、交流サイト(SNS)「フェイスブック」に「遅まきながらフェイスブックでとんでもない非難を見た。私は『取り消してほしい』と言ったので、とんでもない所に行かないでほしい。私は受賞決定だけで十分に補償をしていただいた。彼らに対する評価は後の世代がしてくれると信じている」と投稿した。
クァク・アラム記者
2025/10/02 14:00
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