日本で強硬保守性向の「高市政権」開幕が予告され、韓日関係の行方にも懸念の声が出ている。太平洋戦争A級戦犯が合祀された靖国神社を参拝してきた高市早苗新自民党総裁(64)が首相になる場合、保守支持層を意識して靖国神社参拝を考慮する可能性もある。しかしトランプ関税、米中対立、北朝鮮核問題などの国際情勢を勘案すると、韓日両国ともに選択幅は大きくない。韓日関係の専門家らは「韓日両国が安定的な関係構築のために努力しなければいけない」と同じ言葉で助言した。
日本国内の代表的な知韓派に挙げられる東京大の木宮正史名誉教授は高市総裁の靖国参拝について「可能性は排除できないが予測は不可能」と話した。保守支持層を意識して参拝する考えを抱くことも十分に考えられるが、実際に参拝するかは断言するのが難しいということだ。
木宮氏は「高市総裁が首相の資格で靖国神社を参拝するということの外交的意味をよく知っているため」と説明した。新総裁の記者会見で靖国神社参拝に関する質問に「適切に判断する」と答えたのと同じ脈絡だ。自民党と連立政権を組む公明党も「ブレーキ」の役割をするという見方を示した。公明党は靖国神社参拝に対する懸念を高市総裁に伝えたという。
木宮氏は「現在の国際情勢をみると、日韓は歴史問題だけで争う余裕はない」と指摘した。「米国の同盟国に対する政策が予測不可能になった状況であるうえ、米中対立が激化し、ロシアと北朝鮮の軍事協力が進んでいて、日韓関係が協力という方向に進むしかない」と話した。歴史問題に穏健的な性向を見せた石破茂政権と比較すると「距離感」があるかもしれないが、基本的な方向性は変わらないということだ。
ただ、日本の新政権発足で歴史・領土問題が両国の葛藤を招く可能性はあると予想した。総裁選挙の過程で高市総裁は島根県が開催する「竹島(日本が主張する独島の名称)の日」に「閣僚級を送る」と発言した。木宮氏は「今まで両国が築いてきた暗黙的な了解と現状を一方的に変更しないことが今の時点で最も重要だ」と強調した。李在明(イ・ジェミョン)大統領が慰安婦合意・強制徴用賠償問題について「覆すのは望ましくない」と公言しただけに「李大統領が日本側に一方的な現状変更はしないよう十分に要請する資格がある」という話もした。
韓日関係専門家、慶応大の西野純也法学部教授も「厳しい国際情勢の中、靖国神社参拝で失うことになる『外交資産』に対する認識があり(高市政権が)外交政策を容易に変えるのは難しいだろう」と述べた。続いて「高市総裁は在任期間中に一度は行きたいと思うかもしれないが、慎重に判断するしかないだろう」と予想した。
西野氏は歴史問題より北朝鮮問題、中国問題を韓日関係の新たな不安要素に挙げた。西野氏は「現在のところ李在明政権が実用主義の観点で経済協力など日韓協力を望んでいる。今後、日本の新政権が協力の成果を出せるかが安定的で持続可能な日韓関係のカギになるだろう」という見方を示した。
また、今月末に慶州(キョンジュ)で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会談に注目するべきだと述べた。西野氏は李在明大統領が言及した北朝鮮の非核化3段階接近について「今後、日韓、日韓米で調整するべき部分ではないかと考える」とし「李在明政権の3段階論は現実的な政策と見るが、日本と認識の違いが存在するしかないため」と話した。
2025/10/09 11:14
https://japanese.joins.com/JArticle/339570